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山手町に新たな環境問題が生じようとしている。

長谷工のハイコート山手パレの北館の道向かいに、日銀の社宅がある。約300坪の家族寮と同じく約300坪の支店長寮の敷地が隣接してある。合計すれば、600坪の大きな敷地である。この地は、ヘボン式ローマ字でおなじみのヘボン博士邸跡地でもあり、由緒ある土地である。敷地内には、ヒマラヤスギの大木が何本もあり、このあたりの景観そのものである。これが、国家財政の厳しさもあり売却され、国庫に納入されようとしている。

そこで、私たちはこのあたりの景観と環境が保全されるように、日銀の関係部署と面談し、要望書をまとめるようにとの助言を頂戴した。以下は、日銀に提出した要望書の概要である。このブログで、この要望を巡っての日銀とのやり取りをフォローアップしていきたい。

(以下、要望書の概要)
日本銀行 文書局 管財課 御中

山手の景観と環境を守る会

横浜市中区山手町245の土地売却に関する要望書

私たちは、横浜市中区山手町245の日本銀行家族寮及び支店長寮(以下、当該土地)の近隣住人の団体である「山手の景観と環境を守る会」と申します。当該土地が入札を通じて売却される予定との情報に接し、当該土地の近隣の景観と環境を守ってゆく観点から以下の通り要望を取りまとめましたので、よろしくお取り計らいいただければ、大変幸甚に存じます。

1.背景
当該土地を含む横浜市中区山手町の一帯は、開港当時、専ら外国人の居留地とし指定され、多数の外国人が移り住んだ。大正12年の関東大震災があったため、居留地の多くの外国人は神戸に移住し、その当時から山手町に居住する外国人の数は少なくなった。そして、今では、彼等がインドから輸入したと言われる多数のヒマラヤ杉の優美な姿と山の木と言われる雑木の巨木が緑豊かな住宅街を形成し、処々に未だに残っている古い洋館とともに異国の情緒を醸出している。山手町は、早くからメディアにもしばしは取り上げられ、東日本においては、田園調布と並んですぐれた生活環境の地として紹介されていることは周知のとおりである。殊に当該土地は、元町に発して南に走って本牧地区に至る幹線道路から西に入った一画の土地で山手の奥座敷と評され、文字どおり静謐と言うにふさわしい地域である。近年心ない業者の濫開発で次々と山手町の緑が失われる中で、当該土地とその周辺には、今でもヒマラヤ杉や山の木といわれる雑木の巨木が多数残っていて山手に最後に残る景観地として地域住民の愛着のまととなっている。

こうした山手の土地柄とその景観、街並み、緑あふれる環境は、山手の歴史的背景、行政や住民の積年にわたる地道な努力によって、形成、維持、発展させられてきたものといえる。

1859年の横浜開港以来、山手地区は江戸幕府に外国人居留地に指定され、外国人の住宅地として開発・整備されてきた。1899年の居留地制度廃止後も外国人によって山手本通りに沿って現在とほぼ同様の異国情緒あふれる街並みが形成されてきた。大規模高層マンションの建設が急速に進んだ昭和40年代後半に、山手地区の景観、街並み、緑豊かな環境を守るために、横浜市は「山手地区景観風致保全要綱」と都市計画法による景観風致地区条例など各種条例や用途地域の制定を行うことで、長年にわたり山手地区の景観と環境の保全に努めてきた。また、山手町住民におきましても、平成10年には「山手まちづくり憲章」を、平成17年には「山手まちづくり協定」を制定し、官民一体となって山手の景観、街並み、そして緑あふれる環境の保全に取り組んできた。実際に、こうした取り組みの結果として、平成18年には、一般財団法人住宅生産振興財団による第2回「住まいのまちなみコンクール」で「住まいのまちなみ優秀賞」を受賞している。

こうした長年にわたる地道な取り組みの甲斐あって、上述の通り、現在でも、山手は外国人居留地時代のなごりを残す異国情緒あふれる美しい街並みと緑豊かな自然環境が見事に調和した住宅・文教地区であり続けている。また山手は、住民のみならず、多くの横浜市民、神奈川県民にとっても大切な思い出とともに心に残る印象深い街であり、何ものにも代えがたい貴重な共通財産でもある。私たちが今こうして山手町に居住しているのも、こうした歴史を今に受け継ぐ美しい山手町を心から愛し、誇りに思うからにほかならない。

2.要望の考え方
1.背景に述べた、歴史と優れた景観と環境に恵まれた当該土地を含む山手町の土地の特性に配慮、むしろ積極的に活用し、こうした山手町もつユニークなポテンシャルを生かす形での計画とすることで、当該土地売却による国庫への納入金額の最大化と当該土地の周辺の景観と環境の維持・増進を両立させる。

そのためには、目先の利益至上主義に基づく安易な売却でなく、企業理念・倫理や過去の行政処罰など入札参加希望者の社会的な資質や当該土地における具体的な事業計画の内容を精査するなどの、心と頭を使った適切なデューディリジェンスが行われることを、まずは切実に要望する。

3.具体的な要望内容
さらに、具体的な要望内容は以下の三点である。

3-1.ヒマラヤスギなどの景観木の原則保全維持
当該土地には、樹齢の長いヒマラヤスギの巨木が多く存在する。これを原則として保存することを要望する。建築計画上、止むを得ない場合であっても、せめて、家族寮、支店長寮のそれぞれの敷地の周辺部分に存在するヒマラヤスギに関しては保存すること要望する。こうした土地周辺部分における景観木の保存は、建物を緑被することで緑豊かなまちなみの維持を指向する山手まちづくり協定の考え方とも整合している。

3-2.2つに区分しての入札
樹木の皆伐など環境破壊の可能性の低い、個人の一般住宅用ニーズへの対応を図るために、全体を一つの土地としてではなく、家族寮部分と支店長宅部分を独立した二つの土地として入札対象とすることを要望する。

面積規模の大きな土地は、実際上は事業用の用途に限定されるため土地の坪単価が土地取引実勢と比較して大幅に低くなる傾向が強い。実際に、2013年2月1日に神奈川県が実施した県有財産の売却での一般競争入札の結果によると、当初知事公舎の建設予定地だった横浜市中区山手町の宅地3019平方メートル(約913坪)は、野村不動産(東京都新宿区)が10億3200万円で落札し、坪単価約113万円と一般の取引価格が坪単価200万円超の市場実勢を大幅に下回っている。

全体を一つの土地としてではなく、家族寮部分と支店長宅部分を独立した二つの土地として入札対象とすることで、当該土地売却による国庫への納入金額の最大化に資することができる上、樹木の皆伐など環境破壊の可能性の低い、個人の一般住宅用ニーズへの対応を図ることも可能となり、国益と周辺環境保全という二つの目的の両立が可能となる。

現在、家族寮部分と支店長宅部分に対応する土地は登記上二筆となっている。

3-3.近隣住民との誠実かつ真摯な対話
土地の所有者は、所有者としての権利を有することは当然ながら、一方で、近隣住民にも恵まれた景観を享受する景観の利益が存在する。所有者としての権利が尊重されるべきなのは当然ながら、しかし一方で、所有者としての権利が尊重されるがために、近隣住民の権利が当然にして犯されてよいということにはならない。

土地の購入者、近隣住民、計画による新たな住民の三者がともに共存共栄できることを前提に、土地購入者と地域住民の間で誠実かつ真摯な対話がもたれることを要望する。

以上
2014年8月19日

山手の景観と環境を守る会

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実際に、私たちも経営トップへの接触を様々な形で試みたのである。しかし、ここに経営トップとの対話が起こりえない、実に巧妙な仕掛けがあったのである。

まず、ハイコート山手パレ244は、新日鉄興和と長谷工の共同事業の体裁をとっているが、土地の80%は新日鉄興和の持ち分であり、事実上の事業主体は新日鉄興和である。ホームページによると、新日鉄興和不動産は住環境は住民との対話の中で作れらるべきであり、それは世代を超えて受け継がれていきべきものと主張しており、私たち近隣住民との対話を当然行うものと、信じていた。しかし、実際には、新日鉄興和が住民の前に姿を見せたことは一度もないのである。特に、新日鉄興和不動産の成川社長は、日本興業銀行時代にドイツでの勤務経験があり、環境意識の高い見識を備えた人物であることを考えれば、実際の企業の態度と理念の格差は驚くべきである。

私たちは、守る会として、新日鉄興和不動産の成川社長宛てに手紙を送った。内容は、建物を建てることに反対はしないが、今のような環境を破壊して団地的な集合住宅をつくるものではなく、歴史と文化のある景観に恵まれた山手町の町としての特性やポテンシャルを生かした形の事業計画への変更を考えて欲しい、というものだった。実際に、こうした要望は、新日鉄興和が自らHPで高らかに謳い上げている「企業理念」とも本来近いはずである。また、個人的なルートでの成川社長への接触も試みた。しかし、これらは無視され、しょうがないので最後には、今回と事業計画と企業理念の関係についての質問を公開質問状の形で行った。さすがに、これには返事をよこしたが、内容は「全て長谷工に任せている」の一点ばりであった。このあたりの事情の詳細は、このブログでも詳細に取り上げてきた通りである。

ここに、長谷工の「特命受注方式」というビジネスモデルの問題があるのである。

このビジネスモデルについても、すでにこのブログで取り上げているとおりであるが、要は、長谷工が土地の仕入れから建物までを含めた包括的なプロジェクトを提案し、プロジェクトの執行においても、面倒な行政や住民への対応も含めて全て、パートナー(この場合は、新日鉄興和)に請け負うのである。この「特命受注方式」こそが、長谷工がマンション日本一業者への躍進の原動力だったのである。

今回の山手町の土地も、もともと長谷工が購入したものであり、これに建物の計画を載せて新日鉄興和に提案し、このビジネスプランを新日鉄興和が購入し、そのための手付金として土地の80 %を購入したというのが、ことの真相なのである。とすれば、新日鉄興和は長谷工の客であり、住民との話し合いになど応じるはずもなく、また長谷工も新日鉄興和にすでに約束したプランがあるのに、住民の求めに応じて計画を変更する理由などどこにもないのである。

つまり、この計画においては、住民と真摯に向き合う事業者はどこにもいないのである。長谷工の「特命受注方式」は、新日鉄興和などの長谷工プランの購入者であるパートナーにしてみれば、住民や行政への対応などで自らの手を汚すことなく収益が確保される、まさに渡りに船の、これこそ「匿名」方式なのである。

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つまり、マンション紛争における厄介な問題は、事業者の担当者も役所の役人も、それぞれの立場で自分の仕事を誠実かつ忠実に遂行しているに過ぎず、その結果、地域の環境や景観にどういった影響を与えるのかということには、全く考えが及ばないのだ。かりに、担当者レベルで周辺環境への影響が理解できたとしても、一担当者として何らかの行動を起こすインセンティブなどどこにも無いのである。市役所の役人は、法律と過去の事例の範囲内で仕事をする以外に選択肢はなく、長谷工の職員は、住民の主張に理解を示せば、社内では「腰抜け」「役立たず」とみなされ評価を下げるに違いないないのだ。

では、どうすればいいのか。個別の利害を超えて、環境や企業倫理などの社会的な価値を判断する必要があるのは、経営のトップである。実際に、より高次の価値観で既にある決定を変更しうるのは、経営のトップだけである。つまり、判断する権限のある人と話し合う機会をつくることが、マンション紛争打開のために優先されるべきなのだ。経営トップの見識が高ければ、望みは皆無ではない。しかし、そうでなければ、話し合いは永久に平行線をたどる可能性が高く、何らかの譲歩を引き出せる可能性は、残念ながらほぼ皆無であろう。


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つまるところ、行政は結局、実務的に確立された手順を事務的に進めるだけであり、計画内容を主体的に評価して住民を助けるべく行動することはなく、全くあてにならない。納税者である地域住民にも、よそものである業者にもいい顔をしつつ、決められた手順で事務的に処理するだけである。

さらに悪いことに、自分たち決定がどれほど周辺環境に影響を与えるのか、その意味合いを理解していないし、理解する意思もないので、その手順が、実際の条例と矛盾していてもお構いなしである。例えば、風致条例は、樹木伐採を原則禁止しており、市長が許可する場合のみ伐採できると定めているにもかかわらず、横浜市の場合、実際の運営は(風致条例はどうあれ、所有者の権利を尊重しなければならないため)竹木の伐採を禁止することは出来ないので、伐採するなら一本代わりに1メートル程度の木を植えれば足りるとされている。これは、市会の決議した条例を市役所がかってに解釈して骨抜きにしているという点で、大きな矛盾であり、問題である。

私たちは、この点を市会で議論するように市会に働きかけたり、横浜市のなした風致条例上の「木竹伐採」の許可に不服として、行政処分不服申し立てを行った。しかし、横浜市のような政令指定都市の場合、市の処分に不服申し立てをしても、この申立てに対応するのは横浜市自身であり、風致条例の関しても、竹木の伐採を許可した、まさに当人たちが不服申し立ての審査をする形になる。つまり、自分の処分に対して、第三者ではなく、自分自身が不服申し立ての審査を行うのである。役人が自分の行った処分に対して不服の申し立てがあった時、自分が審査して非を認めることなど、ありえない話である。だれがみても、これで、行政処分への不服の審査が公正におこなわれるはずはなく、単に行政に一応審査したというアリバイを与えるだけにすぎない。これは、政令指定都市のガバナンスの問題である。

さらに、私たちは、市の与えた建築確認許可についても、本来開発行為である工事をごまかして開発許可を潜脱していると、建築確認の取り消しを求めて建築審査会に異議を申し立てた。建築審査会は、表面的には市とは異なる第三者とされて学者、有識者、専門家で構成されたメンバーで審議されるが、事務方メンバーは横浜市の役人であり、最終決定文の執筆も事務方で取りまとめられている。つまり、ここでも、市は自分に対する不服を自分で裁く仕組みになっており、先程の行政処分への不服申し立てと同じ構図である。

これは、あくまで横浜市のような政令指定都市のカバナンスの問題である。例えば鎌倉市の建築許可に対する建築審査会は神奈川県が行うなど、政令指定都市でないケースであれば、市の判断に建築審査会が待ったをかける事例は実際にいくつもあるのである。

(次回へ続く)


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では、先手を打つといっても、住民にどんな手段が残されているのか。

まずは、数の力である。数の力がなければ、どんな主張も、一部住民の単なるエゴだとみなされてしまう。

私たちの場合は、そもそも近隣住民の数が多くない上、その中でも日本に企業派遣できている外国人世帯も多く、実際に反対運動に参加できる人の数は限られていた。そこで、私たちは山手の景観と環境を守る会を作り、山手の環境保全の主旨に賛成してくださる方々からの署名を集めた。二千数百名の方々からの署名を得た。これは山手町の人口が4千人程度であることを考えると大きな数字だといえる。

私たちは署名を、林文子横浜市長に提出し、建築計画への市長意見書の交付を慎重に検討するようにお願いした。署名活動や市への陳情などの運動は、ある程度事業者へのプレッシャーにもなる。しかし、住民が理解すべきなのは、事業者の建築計画に違法など明らかな問題点がない限り、市長は、たとえ住民に共感して時間をかせぐことはできたとしても、意見書の交付そのものを取りやめることはできないのである。少し時間を稼ぐ、場合によっては、事業者に非公式に指導する程度のことが精一杯のところである。つまり、行政は計画書類上に違法など明らかな問題点がなければ、事務的に進めざるを得ないのである。実際のところ、大手のマンション業者は明らかな違法を犯すようなへまは決してしない。それどころか、長谷工のような凄腕の業者は、明らかな違法でなければ、脱法まがいのことも行政を巻き込んで仕掛けてくる。

私たちが、当初一緒に闘っていた弁護団は、法的な手段で住民が救済されることはまずない、と断言していたのである。法的な手段は、事業者へのプレッシャーと時間稼ぎで、座り込みや現場封鎖などその他の住民活動で、実際に工事を物理的邪魔をして初めて、事業者が困り交渉の余地が生じるという論理で一貫していた。なので、実際に数を集めて、住民運動で立ち向かうように、弁護団にいつも説教されていたのだ。

事業者から建築計画が住民に説明される初期の段階では、斡旋や調停といった住民と事業者の話合いの場を行政は用意している。私たちもこうした機会を活用したが、時間の無駄どころか、その後の闘いにはむしろ有害であった。なぜなら、まず、実質的な事業主であり計画の変更権限をもつ新日鉄興和が出てこない上に、これらの場は、どんなに中身のないものであっても、住民にきちんと対応した立派なアリバイとして事業者に利用されてしまうからである。行政も、役所としてきちんと対応したというアリバイだけであり、実際の場でも、激しい応酬になると困ってうつむいているだけなのである。

(次回へ続く)

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プロフィール

山手の景観と環境を守る会

Author:山手の景観と環境を守る会
横浜山手は、外国人居留地時代のなごりを残す異国情緒あふれる美しい街並みと緑あふれる自然環境が見事に調和した住宅・文教地区です。また山手は、住民のみならず、多くの横浜市民、神奈川県民にとっても大切な思い出とともに心に残る印象深い町であり、何ものにも代えがたい貴重な共通財産でもあります。こうした歴史を今に受け継ぐ美しい山手町を心から愛し、誇りに思うからこそこの町を醜悪なマンション計画-ハイコート山手パレ244-から守りたいのです。

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