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文京区小石川2丁目の完成間近のマンション「ル・サンク小石川後楽園」に対する建築確認に対して、執行停止処分を東京都建築審査会で決定したとのことです。

東京都建築審査会がマンションに対して建築確認の執行停止の決定処分を出すのは初めてとのことで、極めて画期的な大英断だと思います。この勝利を勝ち取られた住民の方々の足掛け10年以上の頑張りにも頭が下がります。

この計画には、避難計画などに関する違法性があったようですが、事業者は長屋計画とするなどでこうした違法性を逃れようとしていたようです。建築確認を出した処分庁も建築図面を東京建築審査会に提出しないなど対応面の問題もあったようです。つまりは、処分庁も建築確認の違法性を認識していたのでしょう。マンション業者が建築確認を業者にやらせる仕組みでは、どこまでも業者より計画になってしまう。こうした建築確認の仕組みそのものも問題ではないか。ガバナンス改善の余地があるはずである。

最後に、これほど画期的な事件にもかかわらず、ブログで論じられるだけで、マスコミでほとんど報じられないのは一体なぜなのか。マスメデイアも大広告主のマンション業界を向こうに回したくないというのが本音だろうか。

住民の皆さんのさらなる頑張りに期待しています。

この件の詳細はこちら。
小石川二丁目マンションの無秩序な開発・建築を考える

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5月25日付けの週刊東洋経済に、「大手も駆け込む長谷工の施工力」という記事が掲載されている。「タワー型」ではなく「板状型」マンションの分野では、長谷工のコスト競争力が群を抜いているそうだ。マンションの施工は手間がかかるうえに顧客からのクレームも多く大手のゼネコンも請け負いたくないらしい。結果、長谷工のマンションに受注シェアは一段と上昇しているとのこと。

私たちも、実際、長谷工の「施工力」の高さには泣かされてきた。マンション建築の「施工力」の中でも、特に重要でかつ長谷工が抜群に強いものは、「住民無視力」、「環境破壊力」、「行政抱き込み力」、「法規すり抜け力」などから構成されるいわば「ゴリ押し・突進力」であろう。

なぜかこれら長谷工の「真の」強みには、記事では触れられていなかったのが、残念だ。

こうして環境を犠牲にして長谷工の繁栄が続く。


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忠臣蔵の赤穂浪士が眠ることで有名な泉岳寺の隣で、マンション建設を巡る紛争がジャパンタイムズで取り上げられている。これで2度目である。

文化財や歴史的景観の保全、対現在の経済的利益の追求という論点である。

海外では、文化財や歴史的景観の保全のために官民ともに懸命に努力し、結果として、美しいまちなみ、景観の維持形成にある程度成功しているのに対して、日本のまちなみはごちゃごちゃと指摘されている。

法的な整備の問題ももちろんある。

しかし、その前に、事業者の側に、社会の構成員として意識が乏しく、違法でなければ収益追求のためには何をしてもいい(当然の権利がある)との考え方にも問題がある。確かに、民間企業である以上収益追求は当然である。しかし、景観や環境も踏まえ、柔軟に頭を使った計画を考えることはできるはずである。問題なのは、はじめから自分たちの権利を全面に打ち出して、その他の価値観を無視してかかる事業姿勢ではないだろうか。もちろん、他の価値観を無視することは明らかな違法ではないのだから。記事によると、事業者である第一リアルター株式会社は、この件についてのコメントを拒否しているらしい。答える「義務」はないので当然の対応であろう。

ちなみに、ここ山手に建設されたハイコート山手パレ244は、2014年春に完成し、募集活動は2013年の夏から行われているが、いまも週末には、販売会社がマンション周辺を掃除し、マンション場所の誘導の案内のひとが看板をもって立っている。

これも、山手という場所の特性を頭を使って十分考えずに、自分たち流のこれまでのやり方で計画を強行したことの一つの帰結である。歴史、景観、土地柄をもっと頭を使って考え抜いて計画をたてれば、ここまで反対運動にあうこともなかったであろうし、販売に苦戦することもなかったのではないだろうか。

参考:泉岳寺の歴史的文化財を守る会

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昨年8月に、日銀の支店長・社員社宅用地売却に関して、守る会として行った要望(内容は、日銀の回答文の下の要望書をご覧ください)に対して、12月になってようやく日銀からの回答がきた。

4か月も検討した結果、理由も説明もないゼロ回答である。まずは結論ありきで、あまり説明して言質をとられたくないという、役人根性丸出しの回答文にはあきれてしまう。

分割売却で富裕個人が自家用に購入するケースはより高値での売却が見込めるのにもかかわらず、なぜ入札から排除する必要があるのか、極めて疑問である。日銀は、環境保全のための制約をつけると、経済的価値が下がり国益に反すると主張する一方で、より高値に売却し得るケースをことさらに排除して進めるのは国益に反しないのだろうか?これでは、山手の景観と環境を守るという観点からだけでなく、一納税者としてもとうてい納得できない。



横浜市中区山手町245の土地売却に関する要望書

私たちは、横浜市中区山手町245の日本銀行家族寮及び支店長寮(以下、当該土地)の近隣住人の団体である「山手の景観と環境を守る会」と申します。当該土地が入札を通じて売却される予定との情報に接し、当該土地の近隣の景観と環境を守ってゆく観点から以下の通り要望を取りまとめましたので、よろしくお取り計らいいただければ、大変幸甚に存じます。

1.背景
当該土地を含む横浜市中区山手町の一帯は、開港当時、専ら外国人の居留地とし指定され、多数の外国人が移り住んだ。大正12年の関東大震災があったため、居留地の多くの外国人は神戸に移住し、その当時から山手町に居住する外国人の数は少なくなった。そして、今では、彼等がインドから輸入したと言われる多数のヒマラヤ杉の優美な姿と山の木と言われる雑木の巨木が緑豊かな住宅街を形成し、処々に未だに残っている古い洋館とともに異国の情緒を醸出している。山手町は、早くからメディアにもしばしは取り上げられ、東日本においては、田園調布と並んですぐれた生活環境の地として紹介されていることは周知のとおりである。殊に当該土地は、元町に発して南に走って本牧地区に至る幹線道路から西に入った一画の土地で山手の奥座敷と評され、文字どおり静謐と言うにふさわしい地域である。近年心ない業者の濫開発で次々と山手町の緑が失われる中で、当該土地とその周辺には、今でもヒマラヤ杉や山の木といわれる雑木の巨木が多数残っていて山手に最後に残る景観地として地域住民の愛着のまととなっている。

こうした山手の土地柄とその景観、街並み、緑あふれる環境は、山手の歴史的背景、行政や住民の積年にわたる地道な努力によって、形成、維持、発展させられてきたものといえる。

1859年の横浜開港以来、山手地区は江戸幕府に外国人居留地に指定され、外国人の住宅地として開発・整備されてきた。1899年の居留地制度廃止後も外国人によって山手本通りに沿って現在とほぼ同様の異国情緒あふれる街並みが形成されてきた。大規模高層マンションの建設が急速に進んだ昭和40年代後半に、山手地区の景観、街並み、緑豊かな環境を守るために、横浜市は「山手地区景観風致保全要綱」と都市計画法による景観風致地区条例など各種条例や用途地域の制定を行うことで、長年にわたり山手地区の景観と環境の保全に努めてきた。また、山手町住民におきましても、平成10年には「山手まちづくり憲章」を、平成17年には「山手まちづくり協定」を制定し、官民一体となって山手の景観、街並み、そして緑あふれる環境の保全に取り組んできた。実際に、こうした取り組みの結果として、平成18年には、一般財団法人住宅生産振興財団による第2回「住まいのまちなみコンクール」で「住まいのまちなみ優秀賞」を受賞している。

こうした長年にわたる地道な取り組みの甲斐あって、上述の通り、現在でも、山手は外国人居留地時代のなごりを残す異国情緒あふれる美しい街並みと緑豊かな自然環境が見事に調和した住宅・文教地区であり続けている。また山手は、住民のみならず、多くの横浜市民、神奈川県民にとっても大切な思い出とともに心に残る印象深い街であり、何ものにも代えがたい貴重な共通財産でもある。私たちが今こうして山手町に居住しているのも、こうした歴史を今に受け継ぐ美しい山手町を心から愛し、誇りに思うからにほかならない。

2.要望の考え方
1.背景に述べた、歴史と優れた景観と環境に恵まれた当該土地を含む山手町の土地の特性に配慮、むしろ積極的に活用し、こうした山手町もつユニークなポテンシャルを生かす形での計画とすることで、当該土地売却による国庫への納入金額の最大化と当該土地の周辺の景観と環境の維持・増進を両立させる。

そのためには、目先の利益至上主義に基づく安易な売却でなく、企業理念・倫理や過去の行政処罰など入札参加希望者の社会的な資質や当該土地における具体的な事業計画の内容を精査するなどの、心と頭を使った適切なデューディリジェンスが行われることを、まずは切実に要望する。

3.具体的な要望内容
さらに、具体的な要望内容は以下の三点である。

3-1.ヒマラヤスギなどの景観木の原則保全維持
当該土地には、樹齢の長いヒマラヤスギの巨木が多く存在する。これを原則として保存することを要望する。建築計画上、止むを得ない場合であっても、せめて、家族寮、支店長寮のそれぞれの敷地の周辺部分に存在するヒマラヤスギに関しては保存すること要望する。こうした土地周辺部分における景観木の保存は、建物を緑被することで緑豊かなまちなみの維持を指向する山手まちづくり協定の考え方とも整合している。

3-2.2つに区分しての入札
樹木の皆伐など環境破壊の可能性の低い、個人の一般住宅用ニーズへの対応を図るために、全体を一つの土地としてではなく、家族寮部分と支店長宅部分を独立した二つの土地として入札対象とすることを要望する。

面積規模の大きな土地は、実際上は事業用の用途に限定されるため土地の坪単価が土地取引実勢と比較して大幅に低くなる傾向が強い。実際に、2013年2月1日に神奈川県が実施した県有財産の売却での一般競争入札の結果によると、当初知事公舎の建設予定地だった横浜市中区山手町の宅地3019平方メートル(約913坪)は、野村不動産(東京都新宿区)が10億3200万円で落札し、坪単価約113万円と一般の取引価格が坪単価200万円超の市場実勢を大幅に下回っている。

全体を一つの土地としてではなく、家族寮部分と支店長宅部分を独立した二つの土地として入札対象とすることで、当該土地売却による国庫への納入金額の最大化に資することができる上、樹木の皆伐など環境破壊の可能性の低い、個人の一般住宅用ニーズへの対応を図ることも可能となり、国益と周辺環境保全という二つの目的の両立が可能となる。

現在、家族寮部分と支店長宅部分に対応する土地は登記上二筆となっている。

3-3.近隣住民との誠実かつ真摯な対話
土地の所有者は、所有者としての権利を有することは当然ながら、一方で、近隣住民にも恵まれた景観を享受する景観の利益が存在する。所有者としての権利が尊重されるべきなのは当然ながら、しかし一方で、所有者としての権利が尊重されるがために、近隣住民の権利が当然にして犯されてよいということにはならない。

土地の購入者、近隣住民、計画による新たな住民の三者がともに共存共栄できることを前提に、土地購入者と地域住民の間で誠実かつ真摯な対話がもたれることを要望する。

以上
2014年8月19日

山手の景観と環境を守る会

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忠臣蔵の赤穂浪士が眠ることで有名な泉岳寺の隣で、マンション建設が計画されており、歴史的な景観が損なわれると泉岳寺が猛反対している。

泉岳寺は住民らとともに、「泉岳寺の歴史的文化財を守る会」を結成し、計画変更を求めて約一万人分の署名を集めたという。さらに、区議会へも不動産会社への指導を求めた請願を提出し全会一致で採択されたが、法的な拘束力がなくマンション業者は聞く耳を持たないらしい。

違法でない限り土地所有者の権利が最優先で、景観や環境の維持は2次的な要素にすぎないという構図は、全てのマンション問題に共通だ。

結局は、残念ながら法や行政は無力で、マンション業者が泉岳寺の環境・景観・歴史の価値を理解するだけの見識があるかどうかに全てがかかっている。マンション業者の見識に期待したい。

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もう完成して半年近く、販売を開始してから一年以上経過するのに、いまだに販売に大苦戦しているようだ。

山手町にしては、サイズが狭小かつ外廊下などつくりも貧相なわりに価格が高い、道路から部屋が丸見えでプライバシー感がないなど、いろいろ理由は想像できる。リーマン前に仕入れた土地の早期処分を優先する今回のような計画ではなく、近隣住民が希望していた緑豊かな敷地にゆったりとした「邸宅」を建てていれば、きっとこうはなっていなかったに違いない。

結局、この計画では、住民も事業者もLose Loseで勝者不在だ。

いや、正しくは勝者と敗者がいる。このマンションを建てたのは長谷工だが、すでに新日鉄興和に全て売却しているので、売れ残りを抱えているのは長谷工ではなく新日鉄興和のはずである。

つまり、一見勝者不在に見えるこの計画の勝者は、やはり長谷工ということになる。とすれば、敗者は紛れもなく新日鉄興和ということになる。これも、土地仕入れから建築計画や施工までの行政や近隣対応を含めてパートナー企業に対して請け負う長谷工の特命受注方式のなせるわざだ。こんな計画パッケージを購入した新日鉄興和にも当然責任はある。

この特命受注方式は、行政や近隣の干渉を明確な違法でなければ徹底的に無視し、当初計画の達成に向けて邁進するという点で極めて効率性の高いビジネスモデルである。この手法をベースに業績を伸ばした長谷工は、最近、倒産危機を脱し、ついに20年ぶりの普通社債の発行にこぎつけたのである。

長谷工、恐るべし。

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それにしても日銀の対応は時間がかかっている。

国有財産の売却による公共の利益を主張する割には、売却金額には表れないからなのか、機会損失には全く無頓着なのが不思議である。

「時は金なり」。時間が経過するほど、国民への不利益が累積されるばかりである。


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守る会として、日銀に要望書を提出してから約1ヶ月であるが、いまだに回答書面が来ていない。

景観木の保全と、環境保全と国有地の売却代金を最大化の両者の観点から、一つの土地ではなく二つの土地として売却して頂きたいというのが要望の主旨である。

二つに区分されればマンション事業者ではなく、富裕層個人などの住宅目的での購入となり環境が破壊されてしまうリスクが大幅に減少する上、坪単価も市場実勢に接近するので売却代金も増大するはずである。

この提案に対して、反対するのは困難と思えるのだが、どうだろうか。

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山手町に新たな環境問題が生じようとしている。

長谷工のハイコート山手パレの北館の道向かいに、日銀の社宅がある。約300坪の家族寮と同じく約300坪の支店長寮の敷地が隣接してある。合計すれば、600坪の大きな敷地である。この地は、ヘボン式ローマ字でおなじみのヘボン博士邸跡地でもあり、由緒ある土地である。敷地内には、ヒマラヤスギの大木が何本もあり、このあたりの景観そのものである。これが、国家財政の厳しさもあり売却され、国庫に納入されようとしている。

そこで、私たちはこのあたりの景観と環境が保全されるように、日銀の関係部署と面談し、要望書をまとめるようにとの助言を頂戴した。以下は、日銀に提出した要望書の概要である。このブログで、この要望を巡っての日銀とのやり取りをフォローアップしていきたい。

(以下、要望書の概要)
日本銀行 文書局 管財課 御中

山手の景観と環境を守る会

横浜市中区山手町245の土地売却に関する要望書

私たちは、横浜市中区山手町245の日本銀行家族寮及び支店長寮(以下、当該土地)の近隣住人の団体である「山手の景観と環境を守る会」と申します。当該土地が入札を通じて売却される予定との情報に接し、当該土地の近隣の景観と環境を守ってゆく観点から以下の通り要望を取りまとめましたので、よろしくお取り計らいいただければ、大変幸甚に存じます。

1.背景
当該土地を含む横浜市中区山手町の一帯は、開港当時、専ら外国人の居留地とし指定され、多数の外国人が移り住んだ。大正12年の関東大震災があったため、居留地の多くの外国人は神戸に移住し、その当時から山手町に居住する外国人の数は少なくなった。そして、今では、彼等がインドから輸入したと言われる多数のヒマラヤ杉の優美な姿と山の木と言われる雑木の巨木が緑豊かな住宅街を形成し、処々に未だに残っている古い洋館とともに異国の情緒を醸出している。山手町は、早くからメディアにもしばしは取り上げられ、東日本においては、田園調布と並んですぐれた生活環境の地として紹介されていることは周知のとおりである。殊に当該土地は、元町に発して南に走って本牧地区に至る幹線道路から西に入った一画の土地で山手の奥座敷と評され、文字どおり静謐と言うにふさわしい地域である。近年心ない業者の濫開発で次々と山手町の緑が失われる中で、当該土地とその周辺には、今でもヒマラヤ杉や山の木といわれる雑木の巨木が多数残っていて山手に最後に残る景観地として地域住民の愛着のまととなっている。

こうした山手の土地柄とその景観、街並み、緑あふれる環境は、山手の歴史的背景、行政や住民の積年にわたる地道な努力によって、形成、維持、発展させられてきたものといえる。

1859年の横浜開港以来、山手地区は江戸幕府に外国人居留地に指定され、外国人の住宅地として開発・整備されてきた。1899年の居留地制度廃止後も外国人によって山手本通りに沿って現在とほぼ同様の異国情緒あふれる街並みが形成されてきた。大規模高層マンションの建設が急速に進んだ昭和40年代後半に、山手地区の景観、街並み、緑豊かな環境を守るために、横浜市は「山手地区景観風致保全要綱」と都市計画法による景観風致地区条例など各種条例や用途地域の制定を行うことで、長年にわたり山手地区の景観と環境の保全に努めてきた。また、山手町住民におきましても、平成10年には「山手まちづくり憲章」を、平成17年には「山手まちづくり協定」を制定し、官民一体となって山手の景観、街並み、そして緑あふれる環境の保全に取り組んできた。実際に、こうした取り組みの結果として、平成18年には、一般財団法人住宅生産振興財団による第2回「住まいのまちなみコンクール」で「住まいのまちなみ優秀賞」を受賞している。

こうした長年にわたる地道な取り組みの甲斐あって、上述の通り、現在でも、山手は外国人居留地時代のなごりを残す異国情緒あふれる美しい街並みと緑豊かな自然環境が見事に調和した住宅・文教地区であり続けている。また山手は、住民のみならず、多くの横浜市民、神奈川県民にとっても大切な思い出とともに心に残る印象深い街であり、何ものにも代えがたい貴重な共通財産でもある。私たちが今こうして山手町に居住しているのも、こうした歴史を今に受け継ぐ美しい山手町を心から愛し、誇りに思うからにほかならない。

2.要望の考え方
1.背景に述べた、歴史と優れた景観と環境に恵まれた当該土地を含む山手町の土地の特性に配慮、むしろ積極的に活用し、こうした山手町もつユニークなポテンシャルを生かす形での計画とすることで、当該土地売却による国庫への納入金額の最大化と当該土地の周辺の景観と環境の維持・増進を両立させる。

そのためには、目先の利益至上主義に基づく安易な売却でなく、企業理念・倫理や過去の行政処罰など入札参加希望者の社会的な資質や当該土地における具体的な事業計画の内容を精査するなどの、心と頭を使った適切なデューディリジェンスが行われることを、まずは切実に要望する。

3.具体的な要望内容
さらに、具体的な要望内容は以下の三点である。

3-1.ヒマラヤスギなどの景観木の原則保全維持
当該土地には、樹齢の長いヒマラヤスギの巨木が多く存在する。これを原則として保存することを要望する。建築計画上、止むを得ない場合であっても、せめて、家族寮、支店長寮のそれぞれの敷地の周辺部分に存在するヒマラヤスギに関しては保存すること要望する。こうした土地周辺部分における景観木の保存は、建物を緑被することで緑豊かなまちなみの維持を指向する山手まちづくり協定の考え方とも整合している。

3-2.2つに区分しての入札
樹木の皆伐など環境破壊の可能性の低い、個人の一般住宅用ニーズへの対応を図るために、全体を一つの土地としてではなく、家族寮部分と支店長宅部分を独立した二つの土地として入札対象とすることを要望する。

面積規模の大きな土地は、実際上は事業用の用途に限定されるため土地の坪単価が土地取引実勢と比較して大幅に低くなる傾向が強い。実際に、2013年2月1日に神奈川県が実施した県有財産の売却での一般競争入札の結果によると、当初知事公舎の建設予定地だった横浜市中区山手町の宅地3019平方メートル(約913坪)は、野村不動産(東京都新宿区)が10億3200万円で落札し、坪単価約113万円と一般の取引価格が坪単価200万円超の市場実勢を大幅に下回っている。

全体を一つの土地としてではなく、家族寮部分と支店長宅部分を独立した二つの土地として入札対象とすることで、当該土地売却による国庫への納入金額の最大化に資することができる上、樹木の皆伐など環境破壊の可能性の低い、個人の一般住宅用ニーズへの対応を図ることも可能となり、国益と周辺環境保全という二つの目的の両立が可能となる。

現在、家族寮部分と支店長宅部分に対応する土地は登記上二筆となっている。

3-3.近隣住民との誠実かつ真摯な対話
土地の所有者は、所有者としての権利を有することは当然ながら、一方で、近隣住民にも恵まれた景観を享受する景観の利益が存在する。所有者としての権利が尊重されるべきなのは当然ながら、しかし一方で、所有者としての権利が尊重されるがために、近隣住民の権利が当然にして犯されてよいということにはならない。

土地の購入者、近隣住民、計画による新たな住民の三者がともに共存共栄できることを前提に、土地購入者と地域住民の間で誠実かつ真摯な対話がもたれることを要望する。

以上
2014年8月19日

山手の景観と環境を守る会

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実際に、私たちも経営トップへの接触を様々な形で試みたのである。しかし、ここに経営トップとの対話が起こりえない、実に巧妙な仕掛けがあったのである。

まず、ハイコート山手パレ244は、新日鉄興和と長谷工の共同事業の体裁をとっているが、土地の80%は新日鉄興和の持ち分であり、事実上の事業主体は新日鉄興和である。ホームページによると、新日鉄興和不動産は住環境は住民との対話の中で作れらるべきであり、それは世代を超えて受け継がれていきべきものと主張しており、私たち近隣住民との対話を当然行うものと、信じていた。しかし、実際には、新日鉄興和が住民の前に姿を見せたことは一度もないのである。特に、新日鉄興和不動産の成川社長は、日本興業銀行時代にドイツでの勤務経験があり、環境意識の高い見識を備えた人物であることを考えれば、実際の企業の態度と理念の格差は驚くべきである。

私たちは、守る会として、新日鉄興和不動産の成川社長宛てに手紙を送った。内容は、建物を建てることに反対はしないが、今のような環境を破壊して団地的な集合住宅をつくるものではなく、歴史と文化のある景観に恵まれた山手町の町としての特性やポテンシャルを生かした形の事業計画への変更を考えて欲しい、というものだった。実際に、こうした要望は、新日鉄興和が自らHPで高らかに謳い上げている「企業理念」とも本来近いはずである。また、個人的なルートでの成川社長への接触も試みた。しかし、これらは無視され、しょうがないので最後には、今回と事業計画と企業理念の関係についての質問を公開質問状の形で行った。さすがに、これには返事をよこしたが、内容は「全て長谷工に任せている」の一点ばりであった。このあたりの事情の詳細は、このブログでも詳細に取り上げてきた通りである。

ここに、長谷工の「特命受注方式」というビジネスモデルの問題があるのである。

このビジネスモデルについても、すでにこのブログで取り上げているとおりであるが、要は、長谷工が土地の仕入れから建物までを含めた包括的なプロジェクトを提案し、プロジェクトの執行においても、面倒な行政や住民への対応も含めて全て、パートナー(この場合は、新日鉄興和)に請け負うのである。この「特命受注方式」こそが、長谷工がマンション日本一業者への躍進の原動力だったのである。

今回の山手町の土地も、もともと長谷工が購入したものであり、これに建物の計画を載せて新日鉄興和に提案し、このビジネスプランを新日鉄興和が購入し、そのための手付金として土地の80 %を購入したというのが、ことの真相なのである。とすれば、新日鉄興和は長谷工の客であり、住民との話し合いになど応じるはずもなく、また長谷工も新日鉄興和にすでに約束したプランがあるのに、住民の求めに応じて計画を変更する理由などどこにもないのである。

つまり、この計画においては、住民と真摯に向き合う事業者はどこにもいないのである。長谷工の「特命受注方式」は、新日鉄興和などの長谷工プランの購入者であるパートナーにしてみれば、住民や行政への対応などで自らの手を汚すことなく収益が確保される、まさに渡りに船の、これこそ「匿名」方式なのである。

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つまり、マンション紛争における厄介な問題は、事業者の担当者も役所の役人も、それぞれの立場で自分の仕事を誠実かつ忠実に遂行しているに過ぎず、その結果、地域の環境や景観にどういった影響を与えるのかということには、全く考えが及ばないのだ。かりに、担当者レベルで周辺環境への影響が理解できたとしても、一担当者として何らかの行動を起こすインセンティブなどどこにも無いのである。市役所の役人は、法律と過去の事例の範囲内で仕事をする以外に選択肢はなく、長谷工の職員は、住民の主張に理解を示せば、社内では「腰抜け」「役立たず」とみなされ評価を下げるに違いないないのだ。

では、どうすればいいのか。個別の利害を超えて、環境や企業倫理などの社会的な価値を判断する必要があるのは、経営のトップである。実際に、より高次の価値観で既にある決定を変更しうるのは、経営のトップだけである。つまり、判断する権限のある人と話し合う機会をつくることが、マンション紛争打開のために優先されるべきなのだ。経営トップの見識が高ければ、望みは皆無ではない。しかし、そうでなければ、話し合いは永久に平行線をたどる可能性が高く、何らかの譲歩を引き出せる可能性は、残念ながらほぼ皆無であろう。


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つまるところ、行政は結局、実務的に確立された手順を事務的に進めるだけであり、計画内容を主体的に評価して住民を助けるべく行動することはなく、全くあてにならない。納税者である地域住民にも、よそものである業者にもいい顔をしつつ、決められた手順で事務的に処理するだけである。

さらに悪いことに、自分たち決定がどれほど周辺環境に影響を与えるのか、その意味合いを理解していないし、理解する意思もないので、その手順が、実際の条例と矛盾していてもお構いなしである。例えば、風致条例は、樹木伐採を原則禁止しており、市長が許可する場合のみ伐採できると定めているにもかかわらず、横浜市の場合、実際の運営は(風致条例はどうあれ、所有者の権利を尊重しなければならないため)竹木の伐採を禁止することは出来ないので、伐採するなら一本代わりに1メートル程度の木を植えれば足りるとされている。これは、市会の決議した条例を市役所がかってに解釈して骨抜きにしているという点で、大きな矛盾であり、問題である。

私たちは、この点を市会で議論するように市会に働きかけたり、横浜市のなした風致条例上の「木竹伐採」の許可に不服として、行政処分不服申し立てを行った。しかし、横浜市のような政令指定都市の場合、市の処分に不服申し立てをしても、この申立てに対応するのは横浜市自身であり、風致条例の関しても、竹木の伐採を許可した、まさに当人たちが不服申し立ての審査をする形になる。つまり、自分の処分に対して、第三者ではなく、自分自身が不服申し立ての審査を行うのである。役人が自分の行った処分に対して不服の申し立てがあった時、自分が審査して非を認めることなど、ありえない話である。だれがみても、これで、行政処分への不服の審査が公正におこなわれるはずはなく、単に行政に一応審査したというアリバイを与えるだけにすぎない。これは、政令指定都市のガバナンスの問題である。

さらに、私たちは、市の与えた建築確認許可についても、本来開発行為である工事をごまかして開発許可を潜脱していると、建築確認の取り消しを求めて建築審査会に異議を申し立てた。建築審査会は、表面的には市とは異なる第三者とされて学者、有識者、専門家で構成されたメンバーで審議されるが、事務方メンバーは横浜市の役人であり、最終決定文の執筆も事務方で取りまとめられている。つまり、ここでも、市は自分に対する不服を自分で裁く仕組みになっており、先程の行政処分への不服申し立てと同じ構図である。

これは、あくまで横浜市のような政令指定都市のカバナンスの問題である。例えば鎌倉市の建築許可に対する建築審査会は神奈川県が行うなど、政令指定都市でないケースであれば、市の判断に建築審査会が待ったをかける事例は実際にいくつもあるのである。

(次回へ続く)


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では、先手を打つといっても、住民にどんな手段が残されているのか。

まずは、数の力である。数の力がなければ、どんな主張も、一部住民の単なるエゴだとみなされてしまう。

私たちの場合は、そもそも近隣住民の数が多くない上、その中でも日本に企業派遣できている外国人世帯も多く、実際に反対運動に参加できる人の数は限られていた。そこで、私たちは山手の景観と環境を守る会を作り、山手の環境保全の主旨に賛成してくださる方々からの署名を集めた。二千数百名の方々からの署名を得た。これは山手町の人口が4千人程度であることを考えると大きな数字だといえる。

私たちは署名を、林文子横浜市長に提出し、建築計画への市長意見書の交付を慎重に検討するようにお願いした。署名活動や市への陳情などの運動は、ある程度事業者へのプレッシャーにもなる。しかし、住民が理解すべきなのは、事業者の建築計画に違法など明らかな問題点がない限り、市長は、たとえ住民に共感して時間をかせぐことはできたとしても、意見書の交付そのものを取りやめることはできないのである。少し時間を稼ぐ、場合によっては、事業者に非公式に指導する程度のことが精一杯のところである。つまり、行政は計画書類上に違法など明らかな問題点がなければ、事務的に進めざるを得ないのである。実際のところ、大手のマンション業者は明らかな違法を犯すようなへまは決してしない。それどころか、長谷工のような凄腕の業者は、明らかな違法でなければ、脱法まがいのことも行政を巻き込んで仕掛けてくる。

私たちが、当初一緒に闘っていた弁護団は、法的な手段で住民が救済されることはまずない、と断言していたのである。法的な手段は、事業者へのプレッシャーと時間稼ぎで、座り込みや現場封鎖などその他の住民活動で、実際に工事を物理的邪魔をして初めて、事業者が困り交渉の余地が生じるという論理で一貫していた。なので、実際に数を集めて、住民運動で立ち向かうように、弁護団にいつも説教されていたのだ。

事業者から建築計画が住民に説明される初期の段階では、斡旋や調停といった住民と事業者の話合いの場を行政は用意している。私たちもこうした機会を活用したが、時間の無駄どころか、その後の闘いにはむしろ有害であった。なぜなら、まず、実質的な事業主であり計画の変更権限をもつ新日鉄興和が出てこない上に、これらの場は、どんなに中身のないものであっても、住民にきちんと対応した立派なアリバイとして事業者に利用されてしまうからである。行政も、役所としてきちんと対応したというアリバイだけであり、実際の場でも、激しい応酬になると困ってうつむいているだけなのである。

(次回へ続く)

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マンション紛争は、住民にとっては突然やってくる。住民には理不尽かつ不可解なことだらけである。

例えば、役所は住民を守ってくれるはずだ、と最初は住民は信じているし、実際に役所も住民の声を熱心に聞いてくれたりするのでなおさらである。しかし、実際のところ、役所は納税者である住民だけでなく、よそものの事業者にもそこそこいい顔をし、そして誰からも非難されることのないように、規則と前例に忠実に淡々と事務的に許認可を行うだけなのだ。

彼らには、あえて火中の栗をひろってリスクをとるインセンティブもなければ、自分たちの許認可が実際にどういうインパクトをもつか、どれほどの環境破壊につながるのか、ということに対する想像力もない。いや、想像力を働かせるインセンティブすらない。彼らは、自分たちの許認可で現場がどうなってしまうのかを実際に確認することも決してない。

7月22日(土)の日経新聞の文化欄に、哲学者アーレントが思考停止への警鐘をならしているという記事があった。全体主義や公共性をテーマに思索したドイツ出身の政治哲学者ハンナ・アーレント(1906~75年)は、意味を深く考えない行為が大きな破局を引き起こすという指摘を行っている。たとえば、アーレントはユダヤ人の大量虐殺を指揮した元ナチス高官の裁判を傍聴し、63年に報告記事を雑誌に発表する。その中で、この人物はみんなが思うような悪魔的な人間ではなく、上からの命令に機械的に従うだけの凡庸な男だったと喝破したのだ。

マンション紛争の登場人物も、個別のレベルでは皆組織に忠実な普通の人たちである。今回の私たちのケースで、横浜市は、長谷工や新日鉄興和の実質開発計画に対して開発許可不要と一旦判断し、その後、工事の一連性・一体性を指摘されると長谷工らに連絡を取って、工事の一連性・一体性を疑われることがないように指導して、実質として開発許可の潜脱を助けている。しかし、横浜市宅地審査課のA氏も最初から開発の潜脱を助けるといった大胆なことを意図していたわけでなく、業者にもいい顔をしつつ少し緩く対応した結果こうなってしまい、後で焦りあわてて取り繕っているに過ぎないのだ。しかし、行政担当者としての自分の行為の意味を深く考え、きちんと理解していれば、きっとこんなことにはならなかったに違いないのだ。

長谷工の担当者も同じような事情であろう。

つまり、このように、行為の意味を十分に考えない当事者たちが、マンション紛争を極めて不可解なものにしているといえる。

特に、役所は、いかに心のない事務的なものであれ、一度行った決定を、そう簡単には、いや決して変更したりしない。それが、現実的にどんなに理不尽なものであったとしても、前例や規則がサポートするかぎり決して変更しないのである。

したがって、いかに、先回りして先手を打つかが重要かが、わかるであろう。しかし、経験値ゼロの住民が、海千山千の業者の先手を打つこと自体そもそも無理筋なのである。

(次回へ続く)


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将来、私たちと同じようなマンション紛争に関わらざるを得ない方々のために少しでも役立つように、これから何回か私たちの反省をまとめておきたい。

まずは、近隣住民とマンション業者にはとてつもなく大きな経験値の格差があることを自覚すべきである。たいていの場合近隣住民には、初めての経験であるのに対して、マンション業者にとっては、自分たちの仕事であり、何万件の経験を積んだ海千山千である。近隣住民は、結局無駄な交渉やアクションで時間を空費する間に、マンション工事は完成してしまう。

次に、マンション紛争の結果は、多分にマンション業者の良心やモラルに依存する。つまり相手次第である。業者によっては、真摯に話合いに応じ、場合によっては、撤退や計画を大きく変更する場合もある。幸い良心的なマンション業者であれば、まずは礼を尽くしてなるべくトップと環境やビジネスモデル・企業理念といったハイレベルでの話し合いで道が開ける可能性がある。実際にそうしたケースは山手においてもいくつもある。

しかし、私たちのように、マンション専門業者である長谷工の場合には、特命受注方式でパートナーである共同事業主にあらかじめ計画を約束しているので、住民との話し合いは形式にすぎず、行政の指導もアリバイ作りだけ、結局は自分たちの計画に大きな変更を加えることははじめから想定されていない。はっきり言えば、いかに強引に押し切るかが、彼らの仕事であり、力の見せ所である。彼らは、正真正銘プロの近隣対策戦闘集団である。いずれこうした独善的かつ強引なビジネスモデルは、社会的な非難にさらされ、継続できなくなるにちがいない。

不幸にして、こうしたマンション業者にあたってしまった場合には、話し合いに時間を空費するよりも、出来るだけ初期の段階で、工事差し止めの仮処分申立を行うべきである。近隣住民の多くは、法的手段に訴えることに慣れておらず躊躇し時間を空費した挙句時期を逸してしまう。業者もこのあたりの事情を熟知している。しかし、和解ではなく断固仮処分を求めるのであれば、仮処分は、通常の裁判と異なり、本来数週間で結論が得られるので、意外と大変ではない。一方で、マンション業者には、事業計画がリスクにさらされるので大変な負担になる。工事の初期段階であるほど経済的なインパクトも小さいので、裁判所も比較的判断がしやすいという側面もある。なので、いかに早く仮処分申し立てを行うかが、きわめて重要であり、この点は私たちの最大の反省点の一つである。

(次回に続く。)

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工事差し止め仮処分申立を横浜地裁が却下したことを不服として、東京高裁に即時抗告していたが、先日東京高裁から決定文が届いた。内容は、既に建築が完成している以上建築続行禁止の仮処分を求める目的が消滅したとの理由で、抗告申立却下とのことであった。

結局、多い日には100人以上の労働者をかき集め工事を急ぎ、既成事実を積み上げた長谷工・新日鉄興和の作戦勝ちであった。

緊急性を要する仮処分を申立ているにもかかわらず、横浜地裁は、3か月も審尋を繰り返し、挙句の果ての担当裁判官はその間に、引き継ぎを行うこともなく手術入院し時間を空費し、事業主側に工事進行の時間を与えたことになる。これが私たちには、致命的なほどマイナスに作用したことになる。

東京高裁では、即時決定が通常の抗告案件としては異例なほど時間をかけた上に、審尋まで行ったにもかかわらず、もっとも簡単な判断が行われとことは大変残念だ。しかし、東京高裁のこうした対応は、横浜地裁で申立内容に関する実質的な判断が行われていないという私たちの主張に傾聴・検証すべき論点があったからに他ならない。

これで、今回の仮処分に関する法的な争いは終わりである。それにしても、横浜市の事なかれ主義に上手くつけ込む長谷工、結果的に開発行為や風致条例の扱いに関して無責任な判断を行政が行ったということを裁判所がきちんと検証・判断しなかったということは、なんとも無念で残念である。

横浜市が、長谷工による開発許可の潜脱を援護射撃してきたことは、市民に対する重大な裏切りであり、許されるべきではない。事業者に対する仮処分ではなく、はじめから行政訴訟で戦うべきであったのかもしれない。

それにしても、建物が完成しても数世帯入居してただけで、今でも大半は売れ残っているらしく閑散たる様子をみると、環境が確実に破壊されただけで、業者も住民も不満だらけの、まさに勝者不在の幕切れだとの思いにとらわれる。いったい何のために、ここまで大々的な環境破壊が行われなければならなかったのだろうか。


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横浜地裁の判断は、申立人の主張にそった形での事実検証も申立理由の検討もなく、判断の根拠としてあげられている事実の関してすら誤認があった。このため、横浜地裁への差し戻しを求めている。


第2準備書面
平成26年6月13日
東 京 高 等 裁 判 所  御 中


1. 景観の利益

本件土地を含む横浜市中区山手町の一帯は、開港当時、専ら外国人の居留地とし指定され、多数の外国人が移り住んだ。大正12年の関東大震災があったため、居留地の多くの外国人は神戸に移住し、その当時から山手町に居住する外国人の数は少なくなった。そして、今では、彼等がインドから輸入したと言われる多数のヒマラヤ杉の優美な姿と山の木と言われる雑木の巨木が緑豊かな住宅街を形成し、処々に未だに残っている古い洋館とともに異国の情緒を醸出してしている。山手町は、早くからメディアにも屡々取り上げられ、東日本に於ては、田園調布と並んですぐれた生活環境の地として紹介されていることは周知のとおりである。殊に本件土地は、元町に発して南に走って本牧地区に至る幹線道路から西に入った一劃の土地で山手の奥座敷と評され、文字どおり静謐と言うにふさわしい地域である。近年心ない業者の濫開発で次々と山手町の緑が失われる中で、本件土地とその周辺には、今でもヒマラヤ杉や山の木といわれる雑木の巨木が多数残っていて山手に最後に残る景観地として地域住民の愛着のまととなっている。まさに判例に言う良好な景観を留める地域である。このことについては、被抗告人等も既に認めるところであって、彼等の販売広告にも、「高台の良好な住宅地として愛される山手町。時を超えて深まった異国情緒・・・・・・知的な香りと邸宅地として風格が宿ります」とあり、また「本物件は、山手町で由緒ある地、目の前にヘボン邸を望み、山手の中でも一番誇らしい系譜を紡いでいます」(いずれも原文のまま)と述べるなど、この地域の美しい景観と、住宅地としての質の高さを礼賛している。改正都市計画法に於て、新しく風致地区指定の制度が定められると、山手地区が逸早くその指定をうけた事実は、山手町が都市景観においてすぐれた高い評価を公けに認められていることを物語る。判例によれば、「良好な景観に近接する地域内に居住している者は、その恵沢を享受する利益、即ち環境利益を有し、それは、法律上保護に値するものと解すべきものとされている。したがって、このような法益の侵害については不法行為が成立する。原決定の末尾の判示によると、抗告人等は、「本件土地の周辺に存在する建物の状況からすればこれまでの本件土地の利用状況が眺望について債権者等に望外の利益を与えてきたとも評価しうる」としているが、その言葉の表現が難解で容易に理解することができない。抗告人等が本件で求めているのは、抗告人の主張事実の存否とこれに対する法の適用を求めているのであって、そのような一見倫理的ともとれる説示は裁判とは無縁のものではないかと臆測する。

2. 景観利益の侵害

もともと、本件土地には、その周囲に樹齢数十年のヒマラヤ杉といわゆる山の木と言われる樹齢100年に及ぶ雑木等の巨木が配され、内部には多数の大小の植木が植栽されて緑豊かな庭園となっていて、その間に6棟の住宅が点在し、文字通り「緑の館」の観があった(甲第10号証の1-3)。そして、隣接する土地にもヒマラヤ杉の群や、自生の常緑樹や落葉樹の巨木の群があり、これらと相俟って市街地には見ることのできない静かな雰囲気を醸出し、四季折々に付近に居住する住民の目を愉しませ、また屡々市民のハイキングコース経由地点ともなっている。ところで、被抗告人等は、抗告人等近隣住民の保存の要請を無視し、所望の規模の建物を建設するためには伐採するしかないとして本件土地上の樹木を悉く伐採した。その結果4,440平方米余の裸地が出現し、附近の様相は一変し、長い間維持されて来た美しい環境は文字どおり一日にして破壊された(甲第10号証の4-19、および甲第11号証)。美しい環境が一度失われると元にもどることはない。やむなく、抗告人等は被抗告人等に「周囲の環境と調和する建物を建ててもらいたいとの要望をしたが、「自分の土地に何を建てようと勝手だ」と言い放ち、抗告人等の要望に一顧だにせず、敷地一杯に実質4棟の団地型の共同住宅を建設している。その出来上りつつある様を見るにつけても周囲の環境と調和せず、圧迫感を覚える。即ち(1)本件各建物は、敷地に余裕がない程に建てられているため、見る者に異常な圧迫感をすら与えている。例えば、本件土地の南側にあるT字路から北を望むと、北の敷地には、4米余の崖の上に3層の建物が南面しその両端は東西の隣地との経界の至近距離に及んでおり、3層の建物と言うよりは、その立地の高さの故に、中高層ビルの観がある。また本件土地南側道路に沿って建てられた1棟は、抗告人らの自宅との経界に迫り、また、その西南の角は公道との距離1米余の近さにある。近所に住む或る外国人は建物が余りにも道路に近いため倉庫か工場建物のような感じがすると評したが言い得て妙と言うべきである。また各建物が接近して建てられているため、前記T字路に立って見ると建物間の空間が見えず、建物が連続しているように見える。更に本件土地の北側道路は隣地との経界附近から急坂となっていて坂を下り切った処はT字路となっているが、このT字路に立って坂上を見上げると北側建物が一層高く感じられ、隣接する抗告人の一人の自宅は一段低いところにあるため、恰も巨大なコンクリート屏風が建てられたようで言いようのない圧迫感がある。 (2)建物は全戸数39にのぼり、その占めるスペース部分が余りにも大きいため駐車場が充分に確保できず、一部は機械式とするほかなく、その余は駐車場から公道に出るための狭い車路と幅1米余の住人の通路が確保されているだけで、(3)「ハイコート山手」と名付けているに拘らず、court(前庭)はない。本件土地の南側斜め向いの場所に本件建物と同様3階の低層マンション「クレスト山手」1棟があるが、原決定では何故かこれについてふれていない。この建物は、今から約30年前に市内で最初のいわゆる「億ション」として建てられた高級住宅で、周囲は緑に囲まれ、中には樹齢100年及び数十年と思われる巨木が自生している。そしてその敷地面積(約1500坪)は本件土地と略同じであるが、前庭は充分に確保され、裏庭の南東のスロープには山の木といわれる木々が叢生し森を形成している上に、さらに裏庭には大きな樹木が適度の間隔で植えられ建物全体を美しく見せている。また全戸について駐車スペースがあることは言うに及ばず、来客用駐車スペースまで確保されて、その戸数も18戸と抑制されている(添付:甲第44号証)。なお、敷地面積に於いて本件土地とほぼ同規模である当マンション建築は開発行為として行われており、全面道路の拡幅や山手公園などへの土地の提供などが行われており、開発を逃れた本件建築と周辺環境への配慮の点においては比べるべくもない。また被抗告人が言及している本件土地の斜め向いに道を距てて建てられているマンション「ノブレス」は、今から約30年前に建てられた建物で、南側に裏庭があり、谷を距てて根岸方面を見遙かす6戸3階建ての低層マンションで1戸当りの占有面積は約200平方米で、駐車場は建物内に蔵められ、本件建物のような外階段外廊下の建物とは比ぶべくもない建物で、売出し価格は1戸につき7億円であることから当然のこととして外観も重厚感があり敷地にも充分なゆとりがある。これらの建物と比較すると、本件建物は、その様相と規模の醸し出す雰囲気と言う点に於て付近の環境と甚だしく調和しないことが容易に首肯することができる。事実、附近に居住する住民は言うに及ばず、そこを通り過ぎる人また訪ねて来る人々の多くが、本件建物群を見て一様に異様な圧迫感をうけると述懷する。この点については、論者或はこのような述懷は個人的な印象であって侵害の有無に関係がないと言うかも知れないが、そもそも本件建築計画については所掌の都市再生推進課が環境上「不承」意見を公表し、市のきも入りで組織されている住民組織「山手まちづくり推進会議」も「不適合意見」を発していることについて、論者はどのように答えるのであろうか。横浜市に於ては、風致地区内に於て開発行為、樹木の伐採又は建物の建築を行うときは、それぞれの行為について、市又は法定の審査機関の許可又は確認を得るとともに、風致地区に於ける景観風致の保全と推進のために適切な行政指導を行うことをその所轄とする横浜市都市整備局都市再生推進課(以下「推進課」と略す)に届けてその行政指導を受けるべきこと、及びその指導の下に設けられた住民組織「山手まちづくり協定運営委員会」に届けてその意見を求むべきものとされている。そのため、被抗告人等は、平成24年12月17日、市に対し、本件建物の建築計画書(甲第30号証の6)を提出したが、市は、平成25年2月27日、届出にかかる工事計画内容は風致維持の目的にてらして充分ではないとして再考を求めるとともに、「建築計画等によって除却することになる樹木は最少限度とし、道路沿いなど敷地の外周部を重点的にできる限り樹木の保存又は移植を行うことなど景観維持のために充分な配慮をすること、特に山手地区の景観を形成している景観木、ヒマラヤ杉、クスの木等の保存する」ようもとめた(甲第30号証の5)が、被抗告人等はこれらの指導に応じようとしなかった。そのため市当局は審議の結果、都市再生推進課長名を以て平成25年3月18日、抗告人等の本件建物建築計画の内容は市として認められない旨の「不承」意見を抗告人等に通知した(甲第30号証の6)。被抗告人等はまた、平成24年10月25日付を以て「山手まちづくり協定運営委員会」に対し、本件建物建築計画を提出し、平成25年4月15日、同委員会から景観木を伐採することは「山手まちづくり協定」に定める基準に反し不適合であるとし、且つ敷地外周部の樹木とくにヒマラヤ杉は「山手らしさを形成するヒマラヤ杉、クス、ケヤキ、シイの木を保存することを求め、また隣地1米に大型集合住宅を建設することは山手町内には例がなく、建築によってこれまで住民の努力で、維持されて来た良好な景観や風致がそこなわれ、近隣の住環境が大幅に悪化する」との理由で、被抗告人等の計画には反対である旨の通告をうけた(甲第30号証の7)。被抗告人等は、原審に於て景観や環境の評価は見る人によって異なるとして、抗告人等の本件土地周辺が良好な景観と環境に恵まれている旨の主張を抗告人等の独自の主観的な判断であるかの如き主張としているが、上記のように公けの機関の評価によっても、また地域住民のそれによっても、本件建築工事が周辺の景観と環境破壊をもたらす結果になる旨の抗告人等の主張の理由のあることは客観的にも正しいと言うことができる。
近年山手町はそのすぐれた環境の故にここに住居を求める人が多く、潜在的需要が大きい地域であるが、最近は業者によって開発し盡され、販売に供される土地の取得は極めて困難となっていることは周知の事実である。現に元町商店街から山手町の丘に上る谷戸坂と言う名の急坂の道路があり、これに沿った崖を崩して土地を造成して建設されたマンションがあるが、北斜面にあるため日照は午前中の限られた時間のみで、しかも、敷地が狭く、駐車場も一部の少数の入居者しか入手できないというハンディがあるに拘らず、売出しとともに即日完売となった。勿論、売買の条件によることにもあると思われるが、本件土地のように山手町に残った唯一の優良宅地に建設された本件建物が、被抗告人等が懸賞金の提供まで約束して懸命に顧客獲得の努力をしているにも拘らず、未だに多数売れ残っているという紛れもない事実は、控え目に考えても、潜在顧客の目には購買意欲をそそるような建物ではなく、山手町の物件としては期待はずれのものであることを物語ると言っても過言ではない。以上を要するに、原決定が、あえて本件建物が周囲のマンションと比較して地域の景観と環境と調和すると判示したことは、証拠に基かない独断であることが明かである。

3. 侵害の違法性

判例によれば、建物の建設が第三者に対する関係に於て景観利益の違法な侵害になるかどうかは、侵害される景観利益の性質と内容、当該景観所在地の地域環境、侵害行為の態様、程度、侵害の経過等を綜合的に判断すべきであるとされ、或る行為が景観利益に対する違法な侵害に当たると言えるためには、少なくともその侵害行為が刑罰法規や行政法規に違反し、或は公序良俗に違反や権利の濫用にあたることを要するとされている。抗告人は、本件すべての条件を充足していると確信している。即ち、

(1) 開発行為の潜脱
都市計画法によれば、都市計画区域内に於て一定の面積規模で開発行為をしようとする者は、指定都市にあっては、市長の許可を得なければならないとされている。これをうけて定められた横浜市の条例によれば、その面積規模は500平方米とされている。本件建物建築のために抗告人等の行う土地の開発行為、即ち土地の形質の変更は、優に500平方米を超えるところ、登記上も一筆の土地であり、且つ歴史的にもまた現状に於ても一箇の邸宅敷地であるに拘らず、被抗告人等は、開発行為の制限を免れるために土地を南北に2分して条例に言う一連性のない2箇の造成工事を装って法の制限を免れた。これについては、横浜市の担当者の安易にして軽率な対応にも責任があるが、いずれにしても、被抗告人等のこのような行為は都市計画法第92条の3号に該当し、罰金刑を以て処罰される事案である。被抗告人等は、建築基準法所定の建築確認を得ているので違法はないと主張し、原審もこの主張を認めているが、建築確認は予定建物の建築の安全性を公的に確認するにすぎず、これを取得したとしても、開発行為の許可を得ない限り、本件建物等の建築はこれを行うことができない筈である。したがって本件建物の建築工事は、判例に言う行政法規に違反するものであることは明白である。その詳細な顛末については、原審に於て主張したとおりであるが、加えて言うならば、このような「開発脱れ」の事実は、今日の現状を見れば一目瞭然である。即ち今では、本件土地の略中間の位置に東西に約 米に亘って2段の用壁が築かれ、その高さは合わせて優に4米を超える。嘗てのなだらかな庭園のたたずまいはない。南側敷地から見ると、コンクリートの絶壁の様相を呈している。このような長大な用壁を築くためには、その工事規模からみて開発行為にあたる多量の切土盛土が行われていることは容易に推測される。住民説明会に於て、被抗告人会社の幹部職員が土地の現状をなるべく変えないで工事をすると説明し、工事は開発行為と無縁であるがの如き発言をしたが、開発行為が行われたことは現状を見れば歴然である。

(2) 皆伐の違法
また被抗告人等は、その計画した規模の建物を建てるために、風致保全条例の許可を得たとして地上の樹木のほぼすべて(約136本中114本を伐採、22本は保存または移植)を伐採した。ところでこれを許可するに当って市の建築局のよりどころとした審査基準は、伐採する樹木の大小に関係なく一本伐採する毎に苗木のような小木(1メートル以上の高さのもの)を植栽することを条件に皆伐を認めるものであって、この審査基準は条例の定めに反し無效である。即ち市条例では、市長の許可なくして風致地区に於て樹木を伐採することを原則として禁じ、例外として伐採を許可するときに於いても可能な限りこれを抑制し、風致を保全すべきことを定めている。この条例の趣旨からすれば皆伐は論外である。審査基準はこれに真向から反する。本件のように樹齢数十年から100年を超える大樹によって形成された緑豊かな環境は、一旦皆伐によって破壊されるときは、回復は半ば恒久的に不可能となる。風致保全の法の規定や条例は正にこのような事態の発生をさけるためのものである。市建築局の審査基準はいわば法の執行機関である行政が立法を変更するもので、違反は明白重大であり、処分はその取消をまつまでもなく、無效である。従って本件建築工事は行政法規に抵触し違法と言わざるを得ない。尚、審査基準は市の建築局に於て定めたもので、従来その適用が時によってまちまちで一貫していないことは原審で主張したとおりである。

4. 原決定のあやまり

抗告人等は以上の事実を主張し、充分な証拠を提出したが、原審の決定は、そのいずれに対しても真正面から向き合って判断していない。申立があれば、申立理由に於ける主張事実のすべてについてその存否を判断した上で法律判断をすべきは当然であるが、原決定は、申立の事実について判断をさけ、逆に、被抗告人の弁明書を下敷にして、本件工事はすべて適法な手続を経ているから、何等違法はないとして抗告人等の申立を却下した。原決定は抗告人等の主張の趣旨を充分に理解せず、また重要な事実について甚だしい事実の誤認をしている。即ち原決定は、「当裁判所の判断」に於て、本件工事は建築法規に適合し、建物の高さは、その建ぺい率及び容積率ともに一定の数値限度に留まるとしているが、「留まる」どころかむしろ法の制限に近い数値であって、「留まる」という表現は偏頗な表現である。また、被抗告人等の建物が、余りにも隣接の住宅と密接していることについて、プライバシーの問題を提起したが、これはプライバシー侵害自体を目的として主張しているのではなく、住民説明会のときに資料として配布された計画図(甲第13号証及び甲第14号証の5)を見ても一見して明かなように、黒色に塗りつぶされた4棟の建物位置が所狭しとばかりに敷地一杯に建てられることが見てとれることから、本件建物の規模が付近の景観と調和を欠く異様な建物の様相を呈していること、その結果としてプライバシー侵害など様々な問題が生ずることを言わんとしたものである。また日照、通風に関する主張も然りである。また、原審に於て、抗告人等に於て、本件土地の「周囲」には、2棟のマンションがあっていずれも周囲の環境と調和を保っている旨を述べ、その詳細を説明したにも拘らず、原決定は何故かこれに言及せず、周囲に山手ハイム、メゾン山手、山手ホームズがあるとして本件建物から離れた土地にあるマンションを引用し、これを判断の基礎として(原決定9頁)それらの「建物の規模と比較しても本件各建物が周辺環境に適合しない特異な存在とは言えない」と判示した。これは重大な事実の誤認で抗告人等の到底承服することが出来ないところである。即ち、「メゾン山手」は山手町に存在することは事実であるが、本件土地から谷を隔てた西方の丘の上を走る山手本通の近くに位置し、「本件土地の周囲」にあるマンションではない。そして、それは6階建であることは事実であるが、建築制限の行われないときに建てられたもので比較にならない。いずれにしても、昭和45年以降は市条例により風致地区では新築する建物の高さは10米を超えないものとされたが、これらの建物はその以前に建てられたものであることは被抗告人自身も認めているところであるから、これらの建物を引き合いに出すことは意味がない。また山手ハイムは、6階建て住宅であるが、本件土地から徒歩約10分の距離にあるが、その位置は元町を発して山手を南北に走って本牧方面に至るもう一つの幹線道路に面して建てられ、本件土地とは立地条件が異なるのみでなく、これまた法による高さ制限(高さ10米)の行われる前に建築されたものであるから、比較考慮の対象とならない。また、山手ホームズに至っては、本件土地と一つ谷を隔てる丘の稜線の上にあり、「港の見える丘公園」前を発して本牧方面に至る上記幹線道路に面する高台に建てられ、本件土地の周囲にはない。しかも、その立地条件のよさは抜群で、横浜湾を一望できる景勝の地にあり、贅沢な程に充分な前庭を擁し、周囲に常緑の巨木を配し、ことに背後の敷地は広大な森となっていて、文字どおり豪華マンションであって、その戸数は30戸とは言うものの、外廊下、外階段の団地スタイルの本件建物とはその質、外観ともに、格段の差がある。原決定はこれらの事情をたしかめることなく、安易に本件建物が付近の隣接の景観と調和していると軽々しい判断をしているが、そのような事実認定は重大な誤まりと言うほかはない。原審は、また、「当裁判所の判断」2に於て日照、風圧等の問題をとりあげて本件工事に違法はないとしているが、抗告人等は、既に判例に於てそれらの問題は景観利益の問題と無関係であるとされていることを念頭に置きながら、可能な限り、多くの角度から本件建物の異様さを説明し、本件建物群が抗告人等近隣住民の景観に恵まれた環境利益を害する結果になったことの例として主張したにすぎず、それが主張の目的ではないことは既に主張したとおりである。原決定は「当裁判所の判断」4に於て(第9頁第2段落)「本件建物は、前記1(1)(2)のとおり、発生させる日照の状況、本件土地と建物の容積の関係等に於て、建築法規、条例に違反するところはなく、また一件記録によれば、本件建物は通常のいわゆる低層マンションとしての外観を有する建物であることを一応認めることができるから周囲の景観との調和を乱すような点があるとは認めがたいと断じ、本件債権者等は本件土地において本件建物の周囲に244本の補植を行うが故に、本件建物は緑地の維持という点に於ても相応の対応がなされているとしていると判示する。しかし、上記の判示が本件に於ける原審の事実認定の総てを要約するものと考えられるが、建物が法規に適合して建てられたからといって直ちにそれが周囲の景観と調和すると判断し、或は建物が通常の低層のマンションであるから周囲の景観との調和を乱すことがないとする判旨には明かに論理の飛躍があり、経験則にも反する。因みにこの点については既述のとおり、当時市の都市再生推進課から本件建築計画については「不適意見」が公表され、また「山手まちづくり推進会議」も同様の回答が被抗告人等に対してなされているが、これらの事実は抗告人等の主張と揆を一にする。抗告人等は、被抗告人等の行為が、建築法規に形式的には適合すると言うものの、その実体に於て、抗告人等隣接地域住民の環境利益を害するが故に違法であることを主張し、この点について裁判官の叡知に期待したが、原決定はこの点に関する抗告人の主張事実について一切の判断を省略し、専ら形式的適法を論拠とし、且つ誤まった事実の認定を基礎として申立人の申立を却下した。これでは、被抗告人等に保障された裁判をうける権利を失わされたにひとしく到底納得することができない。Justice must be done、抗告人等は正義を求めて本申立に及んだものである。

5. 被抗告人等の建築工事遂行上の不法行為

被抗告人等の行う本件建築工事は、それ自体違法であるにとどまらず、被抗告人等は、本件建築工事を行うに当っても、数々の不当或は違法な行為を繰り返しで抗告人等近隣住民に累を及ぼしていることは既に詳細に主張したところである。例えば、形ばかりの住民説明会の開催、住民の一人から何故に南北に土地を二分して工事をするのかの問いに対し、石段があるからとあいまいな答えをしたが、実は開発行為による道路の拡張や公共用地の提供等の公用の負担を免れるためであることが後日判明した。もともと抗告人等近隣住民は、建物の建設それ自体に反対しているわけではなく、専ら風致地区のあることを念頭に周囲の環境と調和した建物の建設を要望していたにすぎない。しかるに被抗告人等はこのような抑制された要望に対し、公けの席で「自分の土地に何を建てようと勝手だ」と暴言を吐いた。そしてその後の被抗告人等の工事のやり方を見ると、正にその暴言を地で行くような振舞の連続であった。即ち、通常大型工事で行われる地域住民との工事協定を結ばす、作業時間はまちまちで労働者は早朝7時頃から現場でうごめき、夜も7時すぎ頃まで作業をする時もあった。また、工事には騒音や振動はつきものとは言え、余りの激しい振動で地震の発生かとまごう程で、モーター等の機械による大きな騒音は連日響きわたり、住民の精神の平衡に影響を来し、心身の不調を訴える人もあった。また外構工事のために公道に接する箇所で粉塵飛散の防止の措置をとらないまま行ったために多量の細かい石の粉塵が風によって周囲一帯に飛散し、あたりは濛々たる白煙が上り、恰もテレビで見かける北京の空のように先が見えない状態になる、また石切り機械による高い金属音が終日断続的に響くなど、工事が進むにつれて形を変えて抗告人等近隣住民の平安であるべき生活を妨害した。また、作業を急ぐため工事用資材の運搬は超大型の長大なトラックを使用するため、4米を漸く超える道幅の箇所では抗告人等近隣住民の通行の妨げとなり、甚だしいときは道幅4米余しかない道路を塞いで通れるようになるまでは30分を要するとか、或は1時間かかると言って近隣住民の車を通さなかったためまわり道をするほかなかった。工場現場前面T字路では、大型小型のトラックが二重三重に長時間駐車し、最もひどいときは大小12台のトラックがT字路を埋め盡し、恰も“トラックの渦”の状態を呈し、抗告人等住民は再三に亘り警察に取締を要請しなければならない始末であった。また被抗告人は道路占有許可を当局から得ていると言うが、公道にビニールを拡げその上に金属製の大型の函を置き終日そこで作業をする日が一再ならず繰返された。被抗告人は道路占有許可を得たと言うが、当局がこのような行為まで許可する筈がない。事実、あまりのひどさに警察署に取締を要請したところ、駐車するトラックは2台、道幅3.5米を通行人のために空けることとされた。そしてこのような傍若無人の行為に、たまり兼ねて現場責任者にクレームをつけると、責任者は、謝るどころか逆に反論した。抗告人等近隣住民はこのような無責任な工事遂行のために1年余もの間苦しめられたが、社長以下10数人の社員(一級建築士)が耐震偽装設計の案件で業務停止の処分をうけ、或は20数億の脱税をしたこと、また被抗告人の建設現場を管理する社員が、平成10年3月から平成26年2月までの約16年間にわたり複数の協力会社に対し、工事内容の変更等により本来減額されるべき工事代金を本人の指定した銀行口座に振り込ませるなど資金の私的流用していたことなどを新聞報道等で知るにつけても、被抗告人長谷工コーポレーションの本件工事に於けるガバナンス欠如もその体質に原因があるものと思わざるを得ない。被抗告人等は抗告人等の要望を容れて建物の設計変更まで行って誠実に対応したと言うが、事実は以下の通りである。横浜市による斡旋の場において、抗告人等は敷地周辺部分を中心に存在する10メートル超級のヒマラヤスギなど景観木を保全することを前提に建物の配置・規模の再検討を要望したところ、被抗告人の回答は建物の配置・規模は従来の計画通りで、出窓を取りやめるなどわずかにプライバシーへの配慮と移植・保存木の本数を7本(保存7本・移植0本)から22本(保存8本、移植14本)に増加させたものであった。しかも、増やした部分にはヒマラヤスギなど景観木も大型樹木は一本も含まれず夏みかんなどの雑木ばかりであった。この意味で、被抗告人の対応は形式的には対応したものの、実質的にはゼロ回答であったといえる。原審においても前後 5回に於て行われた和解期日に於て抗告人等は設計変更(3階の両端を切取ること、10メートル超級の樹木を植えることー等)を要望したが何一つ容れられず和解は不調となった。また被抗告人に対応は抗告人の要望にきちんと向き合ったものではなく、自分に好都合の形式的な対応に終始しているのであり、設計変更など実質的に皆無であることは当初配布された設計図がその後に作成された完成設計図とほぼかわりがないことからも明白である。以上のような数々の迷惑行為は、その程度内容及び行われた期間の長さを思えば、忍受の限度を超え、明らかに不法行為を構成する。殊に被抗告人新日鉄興和不動産株式会社の本件に於て行った数々の卑屈無礼な態度は、モラルの問題ではなく、抗告人等の人格を無視するもので違法な行為として到底容認することができない。そのような被抗告人の所為の数々については既に原審に於て詳細主張したもので繰返さないが、最近の事象として一点従来の主張に次のことを付加する。即ち、既に述べた如く、本件建物は、附近の景観との余りにも不調和な外観を呈しているため、近隣住民はもとより、その他多くの人々のひんしゅくを買っているが、販売の実績がはかばかしくないとみたのか、新日鉄興和不動産は突如として、新聞紙上に本件マンションの売主としてその名に於て募集広告を出し、来客には10万円の懸賞金を進呈するほか(多分、その金額は賞金の合計額でありその支払は抽選による趣旨と思われる)、特別にハイヤーを仕立て山手の洋館めぐりのサービスを提供する旨を発表して顧客を誘引する挙に出た。従来一度として顔をのぞかせることのなかった新日鉄興和がこのような行動に出たことは、販売を促進するためとは言え、当業界で他に例を見ない販売方法である。このことは、抗告人等の目から見ればあさましいと評するほか言葉がないが、同社が、これまで抗告人等の要請を一切無視していることを思い合わせると、同社のこのような行為は、自分の都合のよいときにだけ顔を出すという卑劣な行為と観ぜざると得ない。しかのみならず、被抗告人新日鉄興和不動産は、本件に於ける80%の絶対的支配権をもっているのであるから、本件工事に関しては、共同の建主として長谷工コーポレーションよりは遙かに責任の重い立場にあるにも拘らず、被抗告人長谷工コーポレーションの数々の不法行為を看過し、何等これをあらためる行動に出ることなく、すべては長谷工に委せてあるとして、抗告人等の「環境に調和した建築」と言う極めて抑制された要望に一度として答えることがなかった。そもそも同社は、そのホームページに於て、都市開発事業は、地域住民との協働によってこれを実現すべきものである旨を述べまた、最近の同社の新聞広告(平成26年3月4,10,19,24,28日の計5回、朝日新聞)にも同旨のことが記載されているが、その行うところはその逆である。本件に於ける同社の隣接住民への人格無視の態度は、強い社会的非難に値する。それ故同社は、本件に於ては長谷工とともに不法行為責任を問われて然るべきは当然である。

6. 被抗告人等の答弁書(平成26年5月29日)への反論

尚、被抗告人らは当審に於いて、以下の3点のことを述べている。念のため以下の主張を付け足す。
(1)抗告人等を含む近隣住民に対して真摯に繰り返し説明した(答弁書5頁)
近隣住民に対する説明は、住民側からの再三の要請にもかかわらず、当初から予定の2回のみで打ち切られた。その後の説明は、住民側による市に対するあっせんの要請であったり、原審の場のような必要な説明に出向いたにすぎず、上述のような数々の不法行為を思う時、「真摯」という言葉は到底受け入れがたい。さらに、土地の80%を所有する主要事業主である新日鉄興和不動産は、住民からの再三の要請にもかかわらず一度も住民に説明を行わなかった。
(2)抗告人らの要望を受け入れた設計変更を行ってきた(答弁書5頁)
上述の通り、被抗告人等が抗告人の要望内容を受け入れた事実はない。あるのは、実質のない形式的な一応対応したとのアリバイだけである。
(3)共有のパーキング通路は相互通行可能な幅員がある(答弁書5頁)
共有パーキングの幅員は5メートル程度であり、普通の相互通行は困難である。ここで抗告人等が主張しているのは、共有のパーキング通路が普通の相互通行は困難なほど狭くなるほど、ギリギリの建築計画であり、周囲の環境と調和しないという点である。

【結び】

原審は、以上の抗告人の主張事実については一切判断をしていない。
裁判には理由を付すべきものとされている以上、決定に至る事実認定とその法律評価が理由として示されるべきであって、結論が正しければよしとするものでないことは言うまでもない。原決定はこの点に於て、重大な誤まりを冒している。のみならず、被抗告人等の本件建築は、刑事法規、行政法規のいずれにも違反するものであるのみならず、その工事の遂行自体に於ても数々の隣接住民の人格無視の所為は、社会的にも忍受の限界を超えるものである。原決定はこれらの諸点のすべてを看過して導き出されているばかりでなく、抗告人等の審級の利益を損なうものであることから取消し、横浜地方裁判所への差し戻しを免れない


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完成してもまだ売れていないらしく、このところ現地販売が始まったようだ。

世間ではマンション販売絶好調で、通常建物完成前に完売するご時勢で、建物が建っても売れていないというのはどういうことなのだろうか。

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前社長自らの耐震偽装での行政処分、25億円の脱税に続いて、またまた長谷工で不祥事があった。今度は、元社員による約4000万円の使いこみが判明したとのことである。

これらの不祥事は、今回の件も含めて長谷工のHPには掲載されていない。長谷工の企業姿勢がここにも表れている。

やはり、マンションのような高価なものは信頼のできる業者からでなければ、と痛感する。

(詳細はこちらをご覧ください)
「当社元社員による不正行為について」 長谷工コーポレーション


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今回の建築工事にあたって、開発許可の手続きを逃れるために、無理のある図面・計画で進めてきたため、現場の作業の方々は大変苦労しているようだ。

実体は一体工事なのに、別々の工事で開発にあたらないとしているために、北・南敷地のやりとりもままならず、作業員は隣接している北南の行き来にわざわざ毎日一般道を数百メートルも徒歩で迂回している。

そもそも、こうした不自然なやり方自体が、本来一連工事で開発許可が必要であったところ、強引に別々の工事と偽装して、開発許可を潜脱を意図したことを雄弁に物語っている。何らかのメリットなしに、こんな馬鹿げた苦労をするはずはないのだから。

それにしても、工事も大詰めになって、いよいよ横浜市に説明した図面との整合性が確認できる段階になってきた。これまでは、まだ工事途中なのでコメントできないとしてきた市も、現実と向き合う時がきた。

守る会は、当然、市に確認を求めていく意向である。

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私たちは、東京高等裁判所に抗告を申し立てている。
一般に抗告に対しては、東京高裁で審査し決定を下すのが通例だそうだ。高等裁判所は管轄が広く、大変忙しいからとのこと。

ところが、今回の抗告に対して、私たちのところへ東京高裁から審尋の呼び出しがあった。

やはり、原決定が申立人の主張を正しく理解せず、その申し立ての根拠をきちんと検討していないという印象を東京高裁の裁判官も抱いたのではないか。東京高裁の正義に期待したい。

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私たちは、東京高等裁判所に抗告を申し立てている。
それにしても、ハイコート山手パレとは皮肉なネーミングだ。「高台にある庭のある邸宅」のつもりの「ハイコート」の別の意味は、高等裁判所である。何とも示唆的だ。

私たちは、長谷工・新日鉄興和が、本来必要な開発許可を姑息なごまかしを積み上げて、法を潜脱したことは間違いないと、確信している。様々な証拠を提出し、このことを実証しているが、原決定はこの点を直視せず、きちんと検討していない。こうした裁判官の怠慢を許すことはできない。

以下の内容を準備書面を提出した。

平成26年(ソラ)第1011号抗告提起事件

第1準備書面

平成26年4月28日
東 京 高 等 裁 判 所  御 中

 抗告人等は横浜地方裁判所が平成26年4月18日、抗告人申立にかかる仮処分の申立(平成25年(ヨ)480号建築続行禁止仮処分命令申立事件)について抗告の申立をし、その中で抗告の理由を述べたが、本書を以てこれを補充する。

原審は抗告人等の仮処分申立を却下したが、申立を却下する以上、申立人の事実主張か予備的事実の主張であるとか、主張それ自体理由がないばあいを除いては、申立人の主張したすべての事実の存否について判断した上、法を適用すべきである。原決定は、抗告人の主張事実の存否について判断をせず、逆に安易に本件建築工事は所要の許可を基本として結局に於て建築関係等法規に適合しているので違法はないとして抗告人等の申立を却下した。しかしながら、抗告人等は、本件土地が都市計画法に基づき、良質な環境として指定され、法によって保護される社会的財産であり、これを保全することは公共の利益に適うものであること、そしてこの意味に於て風致地区に於けるすぐれた環境は社会公共の財産に比すべきものであることを主張した上、被抗告人等の行う本件建築工事は、周辺地域の環境と全く調和しないばかりか、逆に環境破壊に当るものであることを主張し、且つ事前説明集会に始って建物建設にいたる間に於てなされた数々の被抗告人の人格を無視した言動は、大企業として共同社会の共通の礼譲を忘れた許されない人格無視であり、その侮辱的発言は附近住民の神経を逆なでするもので、以上のことを綜合すれば、本件工事の遂行は違法である旨を主張し、抗告人等はすぐれた環境を享受する法的利益を有する者として、その資格に於て仮処分申請に及んだものである。

しかしながら原決定は、抗告人等の主張を正しく解釈せず、被抗告人等の本件工事は関係法規の定めに違反する点はなく、本件建物は周辺環境に適合しない特異な存在とまで言えないとしているが、そのような判断は以下に摘記するとおり、その基礎となった事実関係の認定を誤まっているので、原決定は違法として取消さるべきである。

1. 原決定は、日照、建物の建ぺい率、容積率、隣地との距離等について何れも建築基準法の定めに適合しているので問題はないとしている。抗告人等は原審に於てこの法に適合している事実を認めているのでこれは争点にはならない。抗告人が主張している趣旨は、本件土地が2400平方米を超える充分な広大な面積を有するに拘らず、実質4棟の建物を駐車場スペースを機械装置にして節約し、ハイコート山手と称していながら後庭前庭もない。あるものは一方通行しかできない自動車の車路のみで、敷地一杯に建物を建てて、周囲の環境と調和していないどころか、これを破壊するものであり、このような節度のない建築工事は風致地区に於ては許されないことを主張し、その具体的現象として隣地との極端なまでの接近や日照、眺望がさまたげられていることを主張しているにすぎずそのこと自体が主張の目的ではない。尚、現に建築中の建物はマンションと言うよりは外国の倉庫か工場を連想させる外観を呈し、それが敷地一杯に隙間のないように建てられているような異様な風景である。

2. また原決定は、本件土地の周辺地域には6階建の山手ハイム、5階建のメゾン山手及び3階建の山手ホームズがあり、これと比較して、本件建物が周辺環境に適合していないとは言えないと判示したが、山手ホームを除く上記のマンションは、いずれも風致地区の指定制度が定められる前に建設されたもので比較の対象とならない、また、判示が言う周辺地域の地理的範囲はどこまでの範囲を言うのか不明であるが、これらの建物はいずれも本件土地から離れたところにあり、その意味でも比較の対象とするのは適当でない。実際、本件建物の北側隣接地には、日本銀行の2階建宿舎があり、南側隣接地には3階建のマンションがあるが自動車を直接玄関前に停車できるほど前庭は充分確保され、正面には大きな樹木が植えられ周囲と調和した品格のある建物であって、外国の倉庫か工場建物かと見まごう本件建物とは趣きが全く異なる。また少し離れた南側に大成建設の建築した3階建18戸のマンションがあるがその敷地は公道から南につづく傾斜地にあり周辺には数10年の樹齢を超える巨木が整然と生育し、前庭には約20台の駐車スペースがあってしかも自動車の出入に全く支障を来さない広さの前庭が展開していて風格のあるマンションとなっている。その他は個人住宅で、それぞれが住む人達の生活を反映して違和感はない。原決定は位置的にも歴史的にも比較の対象となりえない2つのマンションの例を引用して本件建物が近隣の環境と調和を欠くものでないとすることは明かに事実認定のあやまりである。

3. 原決定は、抗告人等の本件建築工事の違法の主張について、「本件地上において、従前建物の解体工事が一体として行われた旨を認定するとともに、建物の建設については2棟それぞれ別個独立の工事であった」と認定しているが、この点については、整地工事は同一の下請業者によって土地全体について行われ、作業のために南北自由に作業機械が往来し、工事の下請会社も南北2棟(実質4棟)について行われ、その実施状況を見ても南北各2棟の工事に配される作業員は毎日朝8時に本件土地の北側に設置された建築事務所に集められ、その日の作業指示をうけて各持場につくと言ったことの繰り返しであること、そして本件工事は被抗告人等の行うものであることを思い合わせると、工事は事業としては実質的に1箇の建設工事である。建築基準法による審査では建物の安全確保を目的とするものであるから、審査は2棟別々に対して行われるので手続法上の2箇の建築工事にならざるを得ない。しかしこれを以て本件建設工事という事業が2箇になるわけではない。被抗告人等が本件工事が別箇独立のもので、官庁に対する届も各別に行っているけれども実質的には法の規制を免れるための姑息な手段であることは原審に於て主張立証したとおりであって、この点についての原決定中の判断は到底納得することができない。また、原決定は、本件建物の建築は建築基準法の確認を得ていることを申立却下の理由としているが、同法による審査の目的は建物の安全にあるのであって環境保護の問題とはかかわりがない。それ故これを以て却下の一理由とすることはあやまりである。抗告人等はこの点については原審において主張を盡し、これを支持する充分な証拠を提出しているので重ねてここで述べることは無意味であるからこれをしない。

4. 原決定は、樹木の伐採については計22本の保存または移植を含め合計244本の植栽を行う予定なので周囲の景観を乱していないと判示する。しかしながら、そもそも建築に当って多数の大木を皆伐したのは、これをしないと計画どおりの規模と数の建物が建てられないことからなされたということによるものであることを思えば、建物を計画どおり建てた後は、植樹をする余地はない筈である。したがって被抗告人等の行い得る植樹の大きさ、その植栽位置は甚だしく限られることは理の当然であって、原決定はこれを以て「緑地の維持と言う面に於ても相応の対応が施された」と判示し、木竹の伐採は補植によって景観は保たれているかの如く述べているが、そのような認定は上記の皆伐の事情を思えば誤まった認定と言わざるを得ない。また、原決定は「木竹の伐採について横浜市風致地区条例に基づく横浜市の許可を得ていることを一応認めることができる」としているが、横浜市は同時に山手地区景観風致保全要綱の審査において、景観風致の維持・増進への対応が不十分として本計画を不承処分とするなど矛盾した判断を行っており、横浜市の判断には論理的な信頼性はない。一度失われた美しい環境は二度と戻って来ない。原決定が土地の利用状況は時の経過とともに変動するのが通常であるとしているが法律の規定を以て現在の環境、風致を維持すべきものにされている風致地区にはそのような考え方はあやまりと言うほかはない。

5. 抗告人等は、本件工事自体については始めから反対しておらず、専ら風致地区として景観と環境を守るため、環境と調和する建築をしてもらいたい旨を要望したのに対し、被抗告人株式会社長谷工コーポレーションの幹部職員は横浜市で行われた斡旋の場に於て、抗告人等の礼を盡した要請にも拘らず、「自分の土地に何を建てようと勝手だと暴言を以て答えたが、その後被抗告人等の建設工事の経過の中でとって来た態度はこの暴言どおりで終始住民の人格を無視した数々の不法な言動であったことは原審で述べたとおりである。かくして、被抗告人の行う建築工事自体、行政法規に反する違法がありその建築工事の過程に於ても抗告人等の名誉感情を不当に害する違法行為があり、これらを総合するとこのような被抗告人の行為は公序に反し、権利の濫用として許されないことを主張するものである。

6. 要するに、本件に於ける被抗告人の行為は、最大の利益追求するがために地上樹木を悉く伐採し、その結果、周辺の環境の風致の保全という法の目的を無視しまたその行う工事には行政法規潜脱と違反があり、そのような限りなく営利を求める行為によって貴重な社会的財産と言うべき風致地区を破壊するものでこのような営業行為は権利の濫用として共同社会に於て許されない。すぐれた自然環境は一度破壊されると半恒久的に元の姿をとりもどすことができない。ことに本件土地は、風致地区として横浜市民は言うに及ばず多くの他府県の人達が訪れる場所である。それ故、本件建築計画の内容をきいて2000人にのぼる数の県内外の人達から建設の規制を求める上申書に署名が寄せられた事実を見ても、本件土地を含む山手地区一帯の風致の保全の重要性が認識される。

以上


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建築工事も終盤に入り、工事用の囲いがとれようやくその建物の全貌が明らかになるにつれ、守る会への住民の方からの苦情が増えてきた。要するに、なぜこんな環境と不調なみっともない建築計画を許したのか、という内容である。

建物に対する皆さんの意見は以下のようなもの。

-びっくりするほど小さな部屋がところ狭しと並んでいる。まるで長屋
-テラスの塀がプラスチックっぽく公団住宅のよう
-建物に張られたタイルが安っぽい(実際には、タイルではなく、タイル調のサイディング
-タイルでなく、石をはれ(正確には、石目調サイディング?)
-外廊下で学校、老人ホームのよう
-工事関係者がわが物顔で路駐し放題
-工事関係者の不注意運転で事故
-木はいつ植えられるのか(長谷工は植えてるつもり)
などなど。

私たちは、はじめから建築そのものには反対していない。作るなら環境と調和したものを作って下さいとお願いしてきたにすぎない。

このマンションブームにもかかわらず、販売も大苦戦で値崩れも始まっているという噂もきく。

全く残念なことだ。

私たちや近所の人ももちろん被害者だが、購入された方にもなんだかとても気の毒だ。

結局、せっかくの景観や環境を破壊し、住民や顧客を食い物にして、長谷工がわずかに儲けただけの話である。

こんなビジネスのどこに未来があるのか。

タイルでなく、タイル調のサイディングのマンションで一億円は、購入者にあまりにも気の毒だ。長谷工のコスト削減の徹底ぶりは驚愕ものだ。


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私たちの工事停止会処分申立に対する横浜地裁の却下決定文は、事業主が、疑わしいが「一応」法的な体裁を整えていることを理由にする「一応」だらけのものであった。このような、思考・判断停止した裁判官のとぼけた決定を到底受け入れることは出来ない。私たちは、これを不服として東京高裁に即時抗告を行った。

以下が、抗告内容である。


 上記債権者と債務間の横浜地方裁判所平成25年(ヨ)第480号建築続行禁止仮処分命令申立事件について,同裁判所第3民事部が平成26年4月7日した仮処分命令申立却下決定に対し不服であるから即時抗告をいたします。

第1 原決定の表示
  本件仮処分命令申立を却下する。
第2 抗告の趣旨
  1 原決定を取り消す
  2 本件を横浜地方裁判所に差し戻す
  との裁判を求める。

               理 由

本件仮処分申請にかかる物件の所在地とその内容は、別紙目録2、3のとおりである。

平成18年3月30日の最高裁判決によれば、すぐれた環境に居住するものはその環境のもたらす利益を享受する法的利益を有するものとされている。これは、そこに居住する住民が世代を重ねて行った環境保全の努力の積み重ねによって形成されるものであって原決定の言うような「望外の利益」などと言うものではない。抗告人の主張は、これを基本として、本件建築工事は、法と条例によって風致地区として保護されるすぐれた環境と景観という社会的財産である本件土地用途を、私企業が利益追求のみを目指す節度を欠いた建築行為によって破壊することは許されないことを主張するものである。建築途上に於ては出来上った建物の状況を想像して主張することは困難である。それ故、抗告人等は眺望、日照、通風、プライバシー侵害等の主張を被抗告人の建築計画から当然予想される破壊につながる行為を推論してこれを以て破壊の現実を彷彿させようと試みたにすぎず、それらが主要の要点ではない。抗告人等はこのような環境破壊の事実を裁判所に理解して頂くために、建物が隣地や隣所の至近距離に建てられていることが当然の結果として生ずる日照や眺望が悪化していることをのべたにすぎずそのことが本件に於ける主張目的ではなく、環境破壊の結果として必然的に生ずる事象を述べたにすぎない。しかるに原審決定は、日照や建物の接近等は相隣関係を律する法律の範囲内であること、及び近隣に他に高層のマンションのあることを以て本件建物の建設が附近の環境と調和するとしているが、そもそもこれらの建物は都市計画法改正前即ち風致地区の制度もない時代に建てられた建物であって比較にならない。のみならずこれらの建物は本件地域から離れていて隣接地域とは言えない。それ故、原決定がこれらの建物の存在が抗告人の「環境破壊の主張をしりぞける」理由の一つとしているが事実の誤認と言うほかはない。また、原決定は、被抗告人が本件建築はすべて法の手続を経ていることを理由にしているが、開発行為の制約を免れるために一筆の土地を南北に事実上分けたことにして事実上開発脱れをしている違法があり、それ故これに続く建築確認にも違法性は継承される。殊に開発行為の潜脱は刑事罰に当ることを思えば本件建築確認も当然無效である。また木竹の伐採にしても横浜市の1本ルール(樹木の大小に拘らず1米の苗木を代りに植えれば風致は保たれるとする行政手続法に基づくとされる所轄局の定めた審査基準は苗木同然の小木を代りに1本植えることを条件に皆伐を認めるもので、風致地区に於ける木竹の伐採を原則禁止し、特別の事由のあるときこの制限を緩和するという条例の趣旨と背馳し、いわば審査基準は、条例の定めと真向から背くものでそれ自体無效である。それ故、本件に於て被抗告人のした皆伐にひとしい行為は違法であることは誰の目からも見ても明かである。また、抗告人等は、本件建築工事の発表がなされたときから、建物の建築それ自体に反対するものでないことを明確にし、終始環境と調和のとれた建物を建ててほしいとの要望をしつづけていたにすぎないのに対し、被抗告人は自分の土地に何を建てようが勝手だと暴言を放ち、住民の環境保全を目的とする諸要求について一切耳を藉さず、1年を超える騒音、振動、作業車両の渦、果ては道路交通法の許可を得ずして公道に終日駐車してそこで作業を行うなど、工事の進行とともに形をかえてくりかえされる不法行為に、耐え切れずに苦情を言う住民に対しては、謝るどころか逆に反論する有様である。又、共同の建築主の新日鉄興和不動産株式会社は、その土地持分の割合から建築主として長谷工の所為をコントロールすることができる立場にありながら、抗告人から長谷工の環境破壊行為について匡正さすべく、再々礼を盡して懇願したのに対し、長谷工に一切委させているとして何等の匡正措置もとらないばかりか、要求に対しては一切無視して答えず、説明会にも出席しない、上記のような住民を侮辱しその人格を無視する長谷工の傲慢無礼な態度とともに新日鉄興和不動産の態度は近隣住民の名誉感情を傷つける人格無視の不法行為にあたる。要するに、被抗告人等の本件工事は、都市計画法によって風致地区として保護される社会的財産即ち公共の利益を犠牲にして最大の利益追求するものであって権利の濫用以外の何物でもない。原決定はこの点について、被抗告人の形式論に追従した上、抗告人等の主張を充分理解せず申立事実について判断を盡さなかった。即ち、原決定は、抗告人等の事実主張を正しく理解せず、本件建物が建築基準法の定める基準に適合していること、建築に先だってなされた開発行為の要否についても、その必要がなかったこと並びに木竹の伐採については市の許可を得ていることを理由に違法はないとしている。しかしながら、抗告人等は、これまでは、被抗告人が建築基準法所定の建築確認を得ていることや、開発について市が適用なしとしたこと及び伐採許可を得ているなど、形式的には法の手続を経ていることを認めた上で、なお被抗告人等の行う本件建築工事は実質的には違法であること、即ち被抗告人等の本件工事は風致地区として良好な自然環境及び生活環境の保全という都市計画法の目指す立法目的に全く背馳することを主張しているものであって、日照が奪われることやプライバシーを失われる旨の主張は、本件建築工事による環境破壊行為の極まっている状況を象徴する一例として主張しているにすぎない。それらは抗告人等の根本的な主張の目的ではない。それ故、日照、至近距離自体の主張を個別に捉えてそれぞれについて問題がないとしこれを理由に抗告人等の主張をしりぞけた原審裁判所の判断は、被抗告人の適法の主張をそのまま再説したにすぎず、抗告人等の裁判を求めた理由について判断がなされていない。

抗告人等の原審に於て一貫して主張したことは、本件地域はその歴史的意義と自然環境及び生活環境の優れていることそしてその故に横浜市が都市の優れた環境の維持保全を目的とする都市計画法に基づき風致地区と指定し、使用について諸々の規制(例えば宣伝用看板の掲示物の禁止、物販店の開設の禁止等)を加えている。このようなことからすれば、本件地区を含む山手町全体の景観と環境は、社会的共有財産であり、そしてそこに住む人々は良好な環境の利益を享受する法的利益を有する。いわば山手町の景観と環境は社会公共の財産であってこれを保全することは公共の福祉に適うものであることと主張し、これを前提に、被抗告人の本件建築は法の手続を経ているという点に於て形式的には適法の体裁をなしているがその実質に於ては、公共の財産を不当に侵害する違法があり、許されないことを主張している。そしてその具体的理由として、出来上った実質4棟の建物は法の許す最大限の規模の建物であり、周囲の景観木を含む大木は建築の妨げになるとして皆伐され、広大な土地に敷地一杯に公道や隣家に迫って建物が建てられた様は異様と言うほかなく駐車場に余裕がないため機械式装置を敷地に配し、庭園らしきものさえなく、残るは駐車場から公道に通ずる狭い車路のみである。凡そマンションのイメージとは全くかけ離れた敷地一杯に工場群が突如出現した観がある。原決定は当然のことながら現場検証を行っておらず専ら被抗告人提出の図面と説明に依存して本件建物は周囲環境と調和しており問題がないと断じているが真逆の評価であると言わざるを得ない。原判決は抗告人の主張を退けるについてこれらの点について抗告人の忍受の範囲内であるとしてこれを以て抗告人等の主張をしりぞける理由の一つとしているが本末転倒の議論である。而も建設計画発表から今日の建築に至るまでの被抗告人の住民に対する人格無視の一貫した態度は共同社会の一員として到底容認されない。判例によれば、「良好な景観に近接する地域内に居住し、その恵沢を日常的に享有している者が有する景観利益は法律上保護に値するが、景観利益の侵害が違法なものということには、侵害行為の刑罰法規や行政法規の規制に違反するなど、その態様と程度において社会的に容認された行為としての相当性を欠く場合に限られる。」とされている。本件に於ては開発行為の潜脱は都市計画法に於て刑事罰を以て処断されるべき違法行為であること、木竹の皆伐の違法その他本件工事に於て被抗告人等の抗告人等近隣住民に対する人格無視の言動を考えると社会的に容認された行為として相当性を欠くものである。以上の理由により原決定は取消を免れない。


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マンションコミュニティ-ハイコート山手パレ244で、最近工事用に囲いが取れて現れたマンション外観に失望する近隣住民の人の声がいくつも上がっているのに、ことごとく削除されている。

書き込みも長谷工のやらせと思われるようなものばかり。

マンションコミュニティ-ハイコート山手パレ244の管理人は長谷工なのか?

長谷工って本当にすごすぎる。

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埋もれた木

ハイコート山手パレ244-どこまでも姑息で卑劣な長谷工」という記事で、裁判所から10メートル級の樹木の植樹の検討を命じられていた長谷工は、まそにその場所に、予定を大幅に前倒ししてキンモクセイを植えて、拒絶するための既成事実づくりが行われたことを書いた。まだ、建物の外部も終わっておらず、足場もあり邪魔になって仕方がないのにである。

その後の横浜地裁での審尋で、このことに関しては、まさに予定通りであると長谷工は強弁した。

しかし、この写真をみればわかる通り、今これらのキンモクセイは土に埋もれている。やはり、無理して植えたので邪魔だったのである。

長谷工にやることは一事が万事この調子なので、今さら驚かないが。。。。

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守る会のメンバーであるご高齢のご婦人が、林文子市長に何度もお手紙を差し上げている。ご婦人は、この地に30年以上住み、ここ244番地には木々の緑と光、野鳥の声に包まれた大切な思い出がたくさんあるのだ。ご婦人は、現場主義を掲げ、環境・景観の大切さを唱えている林文子市長ならば、切なる市民の肉声を聞けば、単に事務的な対応ではなく、「現場」をみた上で適切な判断をしてくれるはずだと、信じてきたのである。

先日、とにかく現場を一度みて欲しいとのお願いのお手紙を差し上げたところ、建築環境課長から意味不明の日本語でかかれたトンチンカンな返事がきた。そこで、この回答では手紙に応えていない、と再度市長に手紙を出したところ、今度も建築環境課長から前回の回答通りと形式的な回答がきた。

市長に現場を見に来て下さいとのお願いに対する返事の内容は、本来、市長がイエスかノーのどちらかになるべきであって、建築環境課の条例の説明は無関係である。

要するに、不都合な問題とは向き合わずに、実質的には徹底的に無視し、回答したというアリバイを作りたいだけなのだ。

今回の係争の大本には、このような横浜市のいい加減な行政態度や判断があるのである。本来開発許可が必要なところを、長谷工に便宜を図り、そのための入れ知恵まで裏でこそこそ行ったり、樹木の伐採に関しても、異なる矛盾する判断を示すなど、信じられないような行為が、行政行為として平然と行われてきているのである。

横浜地裁での審尋でも、裁判官が、「横浜市がおかしいですね」とコメントしたほどである。

業者が住民に横暴なのは、一定理解し得るにしても、行政が納税者に対してこのようなふざけた対応をとるのは理解しえない。保身主義の役人の常識は、世間の、いや世界の非常識だ。


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私たちは、横浜地方裁判所に本件工事の停止を求めて訴えを起こしている。私たちの主張を簡単にまとめると以下の通りである。

1. 完膚なきまでの環境破壊行為

長谷工ら事業主は今日まで、本件土地南北に各1棟を建設すると称していたが、出来上った現状を見ると、3階建て4棟の建物が敷地一杯に所狭しとばかりに建てられ居住者の自動車の置場を充分にとるスペースがないため駐車用機械装置が地下に設備され、南北両棟の管理人事務所の上に更に2階あげてその部分もユニットとして売り出している有様、周囲の樹木は一掃され、3階建の巨大な建物群が公道や隣地との境界ぎりぎりまで、敷地一杯に建てられ、そのため債権者等隣接住民は言うに及ばず、附近を通行する人々にも言いようのない圧迫感を与えている。しかも、ことに南棟の西南の角は公道から1メートルに位置し、恰かも江戸時代の長屋の観がある。一昔前の旧式の団地が住宅地のど真中に姿を現した観があり、附近の環境と著しく調和を欠く建物群である。この巨大にして醜悪な建物の建設によってかつての緑豊かな環境と美しい景観は半永久的に失われることになった。長谷工ら事業主の環境破壊の責任は重大である。

そして、この覆うべくもない環境破壊の現実は、長谷工自身間接的にではあるがこれを自認するところである。即ち、その販売広告には、本件土地の周辺がすぐれた自然環境及び独特の居住環境にあることを強調し、歴史的に由緒ある土地として讃美している。しかし、本件土地についてデンマーク王国領事公邸あとと言うのみで殆んど語るところがない(「デンマーク王国知事」は「デンマーク王国領事」のあやまりと思われるが、長谷工が本件土地及びその周辺の土地を開国からの山手町の歴史と由来をどこまで認識しているか疑問である)。

2. 長谷工の近隣住民無視の傲慢な態度

住民説明会の充分な余裕も与えず、実質1週間後に開催したが、肝腎の主事業主である新日鉄興和は、長谷工に委せているとして出席せず、引受けたと称する長谷工に至っては、予め社員3名が出席したが、プロの説明屋に質疑応答にあたらせ、殆んど発言をしなかった。殊に1筆の土地を何故に南北に分けて工事をするのかという一主婦の素朴な質問に対しては明言をさけた。その理由は後になって近隣住民等の知るところとなったことは既に主張したとおりである。説明会は二度に亘って開催されたが、おざなりの形だけのものであった。

近隣住民等は、当初から建設そのものに反対するものではなく、専ら風致地区であることを念頭におき周囲の環境と調和するものを建設するようつよく求めていたのに、長谷工は市のあっせんの場に於ても近隣住民等のこのような要望に対し、自分の土地に何を建てようと勝手だと無礼極まる発言をしたが、その後今日までの長谷工ら事業主の行動は、その暴言を地で行く振舞の連続である。

市街地ならいざ知らず、静粛な住宅地に於て工事をするときは、近隣住民の生活に配慮して行うべきであるのに、工事中による余りの振動、騒音のひどさにたまりかねた住民が苦情を言うと、謝るどころか、健常者には我慢してもらわなければならないとか、余りにも近くまで建物が建てられるのでプライバシーが失われるとの苦情に対しては、将来入居する人達も同様プライバシーが失われるなどやりかえす始末、住民説明会では、工事は8時半から18時半と言いながら実際は7時になると作業員の車が次々と到着し、18時半を越えても作業を続ける。公道に車を駐めたまま仕事の道具類を取り出してそこで作業する。大型自動車が一時に何台も来て道路を埋めるなど、近隣住民の生活に禍いを及ぼしていることについての職員或は現場責任者から迷惑をかけていることについて一度の謝まりもない。総じて近隣住民の要望は一切無視して只工事の完成に向けて急いでいる。このような傍若無人の振舞は共同社会に於ては到底許されないことである。

3. 新日鉄興和不動産の不当行為

新日鉄興和不動産は、共同の建築主であり、且つ80%本件土地についての権利を有し、実質的には、同社こそが建築主であるに拘らず住民の強い要望にかかわらず、住民説明会に一度も出席しなかった。またその後に行われた市当局のあっせんについても同様であった。また長谷工の数々の違法不当な行動を訴えて幾度となく是正措置を成川哲夫社長に求めたが、誠実に対応するどころか、工事現場の掲示板の建築主表示「新日鉄興和不動産株式会社代表取締役社長成川哲夫」の表示に代えて住宅事業本部長 林某なる名に変更し、且つ建主の表示の順序を変えて長谷工を上位に表示している。同社のホームページには、都市開発は地域住民との共働で行うというコミットメントをしているが実は虚偽であったと言わざるを得ない。それにも拘らず平成26年3月19日の朝日新聞に於ても同様の内容の広告をしている。これは厚顔無恥としか評しようがない。因みに同社の前身は旧興銀系の興和不動産株式会社であり、平成24年10月新日鉄都市開発を統合して現在の商号を使用しているが、新日鐵住金の子会社ではない。

ところで、本件建物の販売は、初め長谷工の名に於て行われていたが、長谷工の名では売れ行きが悪いと感じたのか、最近は売主新日鉄興和不動産の名で大々的に広告を出し懸賞や山手の洋館めぐりと銘うってハイヤーを雇って客を山手地区の洋館のある場所を経由して本件建物に案内し、且つ参加者には懸賞金を提供するなどを広告し、自ら積極的に販売活動を開始している。債務者らの、正当な要求、即ち建物の建築は環境との調和を保つよう配慮してもらいたいと言う正当な要請に対し、終始無視していながら、建物の完成も間近になると、臆面もなく表面に出て大々的に宣伝広告をし客を募っている。このような新日鉄興和不動産の行為は地域住民の神経を逆なでする行為であり、近隣住民に対する侮辱である。

4. 本件建築工事の違法性

長谷工ら事業主の本件工事は風致地区に於ける環境破壊であるとの主張に対する唯一のよりどころは、開発行為案件に当らないこと、建築確認並び木竹の伐採許可を受けていることである。しかしながら、長谷工ら事業主の行為はいわゆる開発脱れの脱法行為にあたるほか、木竹の伐採許可処分は、条例の趣旨の明かに反する審査基準を適用した結果であって無効である。それ故、近隣住民らの本件工事は実質的には違法であることはこれまで主張したとおりである。殊に開発行為の潜脱については、都市計画法第92条第5号により罰金刑を以て処罰される違法行為である。而もその違法は重大で処分は無効である。それ故、長谷工ら事業主によって立つ唯一の法的根拠は到底支持されるものではない。

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このところ、三菱地所が鹿島建設の施工で東京・南青山に建設中の高級マンションで、建築不具合が見つかり建て替え工事を行う事態になったり、最近でも積水ハウスが大成建設の施工で東京・白金で建築中の高級マンションでも建築不具合が見つかり是正工事を行うなど、高級マンションで、続けさまにまさかの不具合が発覚し問題になっている。

しかし、不具合があったのは問題だとしても、不具合がきちんと見つかり、事業主も巨額のコストをかけてでも是正工事を行うという意味では、まだ良識的だといえる。

その点、社長自らが耐震偽装で行政処分を受けたり、20億円もの巨額脱税を行う長谷工の作るマンションは大丈夫だろうか。万が一同様の建築不具合があっても是正コストがかかるとなれば、例によって上手く偽装されて発覚しない可能性が高いのではないか。


素人にはわからないからこそ、マンションは信頼できる誠実な業者のものを選びたいものだ。


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2014年3月24日に、またしても新日鉄興和不動産が同様の広告を朝日新聞に掲載している。

「どれだけ人と向き合えたかで、街づくりは決まると思う。」
今度は、
「例えば、リビオタワー板橋」
ときた。

どうやら「例えばXXXXX」と今後も続けるつもりらしい。

「地域住民との対話を重視する」という企業理念がそれほど重要ならば、どのプロジェクトでも一貫してもらいたいものだ。本当はご都合主義の企業理念にすぎないのに、こんな広告を打てば、見る人が「地域住民との対話を重視する」立派な企業と誤解しないかと心配だ。

ご都合主義もほどほどで勘弁してもらいたいものだ。

ちなみに、この広告の山手版はこうなる。

「どれだけ人を無視するかで、収益は決まると思う。例えば、横濱山手」とし、「収益極大化するマンションづくりは難しい。だからこそ私たちは、街に足を運ばず、街の人を避け、街の暮らしに目をつぶる。そして、一人ひとりの思いは、徹底的に無視しています。」


これが、山手での新日鉄興和不動産の紛れもない真実であり、ご都合主義企業理念の一例である。

まったく呆れた企業だ。

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プロフィール

山手の景観と環境を守る会

Author:山手の景観と環境を守る会
横浜山手は、外国人居留地時代のなごりを残す異国情緒あふれる美しい街並みと緑あふれる自然環境が見事に調和した住宅・文教地区です。また山手は、住民のみならず、多くの横浜市民、神奈川県民にとっても大切な思い出とともに心に残る印象深い町であり、何ものにも代えがたい貴重な共通財産でもあります。こうした歴史を今に受け継ぐ美しい山手町を心から愛し、誇りに思うからこそこの町を醜悪なマンション計画-ハイコート山手パレ244-から守りたいのです。

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